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SELLING JOURNAL / 地域

岡山市中区で不動産を売るときに確認したいこと|中古住宅の診断・除却補助・水害マップ

この記事の確認者

代表取締役 土井 未来宅地建物取引士・2級FP・投資不動産取引士

岡山市中区四御神の中古住宅
写真:岡山市中区四御神 中古住宅(公式サイト掲載の取引実績)
まず、ここから

中区で古い家を売るときは、昭和56年5月31日以前の着工かどうかを確かめ、市の空き家診断で建物の状態を把握するか、解体して土地で売るかを比べるのが出発点です。あわせて区域区分、道路の種別、洪水・内水・高潮の地図を確認しておくと、買主への説明がそろいます。

中区で扱ってきた物件と、この記事の前提

トリプルギブの公式CASEには、岡山市中区の取引として、四御神の中古住宅、藤原の中古戸建て、桑野の建売住宅、倉富と原尾島の分譲地、円山の住宅用地、西川原の中古8戸アパートを掲載しています。中古住宅や中古アパートなど、すでに建物がある物件の取引が複数あるのが特徴です。

建物付きで売るときに買主が気にするのは、建物がいつ建てられたか、どこが傷んでいるか、そのまま住めるのか、それとも解体を前提にするのかという点です。土地として売る場合は、そこに何が建てられるか、前面の道で建て替えができるか、水害の想定がどうなっているかが問われます。

この記事では価格や売却期間には触れず、中区で古い家や土地を売る前に、市の制度と公式の地図で確かめられることを、①建物の着工時期と診断②解体と家財処分の補助③区域区分と道路④水害の地図の順に整理し、最後に手順をまとめます。制度の内容は2026年10月4日に市の公式ページで確認したもので、年度ごとに変わることがあります。

最初に、建物の着工時期を書類で確かめる

古い家を売るときに最初に確かめたいのが、建物の工事がいつ始まったかです。市の空き家診断の補助では、昭和56年5月31日以前に着工した住宅と、同年6月1日以降に着工した住宅とで、対象になる診断の種類が分かれています。この日付は、買主や金融機関が建物の耐震性を考えるうえでもよく目安にされます。

注意したいのは、登記事項証明書に載っている建築年月日は、工事の始まった日ではなく完成した時期を示すことが多い点です。昭和56年の後半に完成した家は、着工が5月31日以前だった可能性もあります。建てたときの確認済証や確認申請の副本、工事の契約書が残っていれば、そちらの日付をあわせて確かめてください。

手元に用意しておきたい書類は、①登記事項証明書②固定資産税の納税通知書③確認済証や図面④増改築や大きな修理をしたときの契約書や領収書です。書類がそろっていなくても売却の相談はできますが、何があって何が無いかを書き出しておくと、どこまで調べればよいかを決めやすくなります。

増築をしている家では、増築部分の工事時期が母屋と違うことがあります。仮に、昭和50年代前半に建てた母屋に、平成に入ってから台所や子ども部屋を増築した家なら、どの部分がいつの工事かを図面や契約書で分けて整理しておくと、診断を頼むときにも買主に説明するときにも話が通じやすくなります。記録が見つからない場合は、その旨をそのまま伝えれば構いません。

建物付きで売るなら、市の空き家診断で状態を書面にする

市の空き家診断事業は、市内にある一戸建ての木造住宅で地上2階以下のものを対象に、空き家の所有者が申請すると診断費用の補助を受けられる制度です。市税の滞納がないことなどが条件で、勧告を受けた特定空家等は対象外です。昭和56年5月31日以前に着工した住宅は耐震診断等と劣化診断の両方、同年6月1日以降に着工した住宅は劣化診断のみが対象になります。劣化診断は、国の既存住宅インスペクション・ガイドラインに沿った現況の検査とされています。

補助額は定額で、耐震診断等は延べ面積200平方メートル以下なら8万円、200平方メートルを超えると8万8千円、劣化診断は6万円です(精密診断は別の計算)。令和8年度の受付は5月1日から12月18日までで、予算に達すると終わります。事前相談は予約制で、実績報告は令和9年2月12日までに出す流れです。

仮に、昭和54年に着工した延べ面積110平方メートルの木造2階建ての空き家なら、耐震診断等8万円と劣化診断6万円の補助の対象になり得ます。実際の診断費用と補助の差額がどうなるかは、診断を頼む事業者の見積もりと市の要綱で確かめてください。診断の結果があれば、傷みや耐震性を売主の感覚ではなく書面で買主に伝えられます。

解体して土地で売る場合、除却補助は条件が限られる

建物を解体して土地として売る選択肢もあります。市には空き家の除却に対する補助がありますが、対象は空家法に基づく特定空家等(勧告を受けたものを除く)に限られます。補助率は工事費の3分の1で千円未満は切り捨て、上限は除却工事と門扉・塀・立木などの附帯工事で60万円、危険を避けるための応急措置は10万円です。事前相談、申請、審査を経てから工事をする流れで、先に工事をしてしまうと対象になりません。

仮に、特定空家等として補助の対象になった建物の除却と附帯工事の費用が155万円なら、3分の1は51万6,666円で、千円未満を切り捨てて51万6千円が目安です。240万円なら3分の1は80万円ですが、上限の60万円までになります。ふつうに住める状態の空き家は特定空家等に当たらないことが多く、その場合この補助は使えない点に注意してください。

解体するかどうかは、建物の状態、解体後の土地の使いやすさ、固定資産税の扱いなどを比べて決めることになります。税金について、この記事は一般情報として触れるにとどめますので、解体や売却による具体的な影響は税理士や市の担当窓口にご確認ください。

建物付きで売るか、解体して売るかの比較
項目建物付きで売る解体して土地で売る
使える市の補助空き家診断(耐震診断等・劣化診断)除却補助(特定空家等に限る、3分の1・上限60万円)
売主の準備着工時期の確認、診断結果や修理の記録解体業者の見積もり、補助の事前相談
買主に伝えること建物の傷み、耐震性、住める状態か境界、道路の後退、何が建てられるか
注意点診断の受付は年度ごとで予算に達すると終了交付決定前に工事をすると補助の対象外
2026年10月4日時点の市の公式ページで確認した令和8年度の内容です。固定資産税など税金の扱いは税理士や市の窓口で確認してください。

家財が残る空き家は、情報バンクと家財処分の補助を確認

親の家を相続した場合など、家具や生活用品が残ったままの空き家も少なくありません。市の空き家情報バンクに登録した空き家は、家財等の処分と搬出の費用について、経費の2分の1、上限20万円の補助の対象になり得ます。処分は市内で許可を受けた一般廃棄物の収集運搬業者に頼むことが条件で、売買や賃貸に至らない場合は継続して2年以上登録することが求められます。受付は令和8年5月1日から12月18日まで、実績報告は令和9年2月12日までで、要件を確かめるための事前相談への来訪が必要です。

情報バンクに登録できるのは、市内で今空き家になっているか、空き家になる予定の物件で、関係法令に照らして適法なもの、かつ申請の時点で宅建業者と媒介契約を結んでいないものです。手順は、①登録申請書と承諾書を出す②宅建業者と媒介契約を結ぶ③市と業者が現地を調べる④登録の通知を受ける⑤市のサイトに掲載される、という順です。

仮に家財の処分費用が27万3千円なら、2分の1は13万6,500円で、千円未満を切り捨てた13万6千円程度が目安と考えられます(端数の扱いは市の要綱で確認してください)。窓口はいずれも建築指導課の空家対策推進室です。

まとまった土地は区域区分と開発許可を先に見る

市の都市計画区域は、市街地として積極的に整備する市街化区域と、市街化を抑える市街化調整区域に分けられています。市のページでは、令和4年11月30日現在で都市計画区域58,600haのうち、市街化区域が10,416ha、市街化調整区域が48,184haとされ、調整区域では開発許可制度によって開発が規制されると説明されています。中区の物件がどちらに入っているか、用途地域や建ぺい率・容積率がどうなっているかは、市のWeb都市計画情報システムで調べられます。

広い土地を分けて売る、あるいは事業者に売る場合は、開発許可が関わることがあります。開発指導課は、市街化区域では1000平方メートル以上、調整区域では農家住宅など一部を除くすべての開発行為を許可の対象としています。相談は本庁舎6階の窓口でのみ受け付けており、電話やメールでは対応していません。窓口には、敷地の場所が分かる地図、公図、土地と建物の登記事項証明書などを持参します。

仮に、市街化区域にある1200平方メートルほどの畑だった土地を、数区画の住宅用地に分けて売る相談をする場面では、開発許可が必要になるかどうかで、道路や排水の計画、かかる期間が大きく変わります。売り出しの方法を決める前に、窓口で見通しを確かめておきましょう。

前面の道が建築基準法上の道路か、後退が要るかを確かめる

古くからの住宅地では、前面の道が幅4メートル未満のことがあります。幅1.8m以上4m未満の古い道で一定の条件を満たすものは、建築基準法第42条第2項の道路として扱われ、市のページでは、原則として基準時の道の中心線から水平距離2mの線を道路の境界線とみなすとされています。市道沿いに蓋をした水路がある場合などは、後退の方法が異なることがあります。

道路の種別は、本庁舎6階の建築指導課の窓口に備え付けの地図か、令和6年4月1日から参考図として公開されている市の地図情報で確認できます。電話やFAX、メールでの回答はなく、区役所や分室でも扱っていません。市道かどうかは、地図情報の認定路線網図で調べられます。

仮に、幅3mの2項道路に間口10mで面している敷地で、中心線が今の道の真ん中にある場合、敷地側は中心線から1.5mなので0.5mの後退が必要になり、0.5m×10mで約5平方メートルが道路とみなされる部分になります。基準時の中心線は今の道の真ん中とは限らないため、実際の距離は窓口で確認し、測量図があればあわせて用意しておきましょう。

洪水・内水・高潮の地図で物件の位置を確かめる

市の洪水・土砂災害ハザードマップは、旭川・百間川、吉井川、高梁川などの河川を対象に、計画規模の雨と、想定最大規模の雨の両方で作られています。中区は第11面に区の全域がまとまっています。ただし地区別のPDFは令和3年作成分で、最新の浸水想定を反映した新しい版は令和9年3月に完成予定とされているため、今の想定はWEB版で確認するよう案内されています。

下水道管や水路からあふれる内水の地域防災マップは、学区ごとに作られています。中区では宇野、旭操、旭東、旭竜、財田、三勲、操南、操明、高島、竜之口、富山、幡多、平井の13学区分があり、これまで被害の大きかった雨をもとに想定したものです。高潮のハザードマップでは、中区で浸水が想定される地域として操明地域が挙げられています。川の想定だけでなく、学区の内水の地図、操明地域なら高潮の地図も同じ住所で見ておくと漏れを防げます。

売買の重要事項説明では、不動産会社が水害ハザードマップで物件の位置を示すことが令和2年8月28日から義務になっています。売主も事前に位置を確かめ、過去に敷地や床下に水が入ったことがあれば、時期と程度を書き出しておくと説明が食い違いにくくなります。

売り出し前に済ませたい確認の手順

ここまでの内容を、売り出しまでの手順として並べ直します。①登記事項証明書と納税通知書で、所在地・地番・面積と建物の建築時期を確かめる。②確認済証や工事の契約書で着工時期を確かめ、昭和56年5月31日以前かどうかを見る。③空き家なら、診断の補助を使うか、解体や家財処分をどうするかを、事前相談の予約も含めて決める。④Web都市計画情報システムで、区域区分と用途地域、建ぺい率・容積率を確かめる。⑤地図情報で道路の種別と市道かどうかを見て、分からなければ本庁舎6階の窓口で確認する。⑥WEB版ハザードマップ、学区の内水の地図、必要なら高潮の地図を同じ住所で見て記録する。

補助の受付は年度ごとで、令和8年度はどれも12月18日までです。年明けに売り出す予定でも、診断や家財処分の補助を使うなら、秋のうちに事前相談をしておく必要があります。

価格の参考としては、国土交通省の不動産情報ライブラリで、取引価格や成約価格、地価公示のほか、防災情報や都市計画情報も地図上で確認できます。ただし個別の物件の状態や道路の条件は反映されていないため、周辺の数字は目安にとどめ、物件の調査を踏まえた査定とあわせて考えてください。

中区で売り出す前のチェックリスト
  • 登記事項証明書や納税通知書で所在地・地番・面積を確かめた
  • 確認済証などで建物の着工時期(昭和56年5月31日以前か)を確かめた
  • 空き家診断・除却・家財処分の補助を使うか決め、必要なら事前相談を予約した
  • 市街化区域か市街化調整区域か、用途地域と建ぺい率・容積率を確かめた
  • 前面の道が建築基準法上の道路か、2項道路で後退が必要かを確かめた
  • WEB版ハザードマップと学区の内水の地図で物件の位置を見て記録した
  • 操明地域の物件は高潮の地図も確認した
  • 過去に敷地や床下へ水が入ったことの有無と時期を書き出した

トリプルギブへのご相談

中区の古い家は、建物付きで売るか、解体して土地で売るかによって、準備する書類も使える制度も変わります。トリプルギブでは、ご相談のあと、建物と土地の状態や公的な情報を調べたうえで根拠のある査定をお出しし、売却の方針を明確にしてから、仲介にするか買取にするかを決めていきます。

対応できるかどうかは物件ごとに判断しますので、所在地と建てられた時期、いま住んでいる人がいるか、家財が残っているかをお知らせください。上の手順で調べきれなかった項目があっても構いません。登記事項証明書や納税通知書の写し、確認済証、ハザードマップの画面を保存したものがあれば、最初の打ち合わせで確認できる範囲が広がります。売り急ぐ事情があるか、時間をかけてもよいかによっても、診断や解体を先にするかどうかの判断が変わりますので、ご希望の時期もあわせてお聞かせください。

相続した家で名義の変更が済んでいない場合や、売却にかかる税金が気になる場合、この記事の内容は一般情報ですので、登記は司法書士、税金は税理士への相談もあわせてご検討ください。

よくある質問

Q. 空き家診断の補助は、売却を決めてからでも申請できますか?

制度上の対象は空き家の所有者による申請で、売却予定かどうかは要件として示されていません。ただし受付は年度ごとで、令和8年度は12月18日までかつ予算に達すると終了し、事前相談も予約制です。売り出しの時期が決まっているなら、診断にかかる日数も見込んで早めに建築指導課の空家対策推進室へ相談してください。

Q. 解体せずに古い家付きのまま土地として売り出すことはできますか?

できます。建物の扱いを買主に任せる形で、古家付きの土地として売り出す方法もあります。その場合は、建物の状態や解体が必要になりそうな事情を正直に伝えることが大切で、診断の結果や修理の記録があると説明がしやすくなります。解体費用を誰が負担するかは、契約の条件として事前に決めておきます。

Q. 自宅の学区の内水の地図で色が付いていなければ、水害の説明は不要ですか?

内水の地図は下水道管や水路からの浸水を想定したもので、河川の洪水や高潮の想定とは別です。重要事項説明では水害ハザードマップでの位置を示すことが求められるため、WEB版の洪水の想定や、操明地域なら高潮の地図もあわせて確認し、過去に浸水した事実があれば別に伝えてください。

Q. 市街化調整区域にある中区の家も、建物付きで売れますか?

売買そのものは可能です。ただ調整区域では建て替えや用途の変更に許可が必要になる場合があり、買主がその家に住み続けられるか、建て替えられるかが取引の前提になります。建てたときの許可の経緯が分かる資料をそろえ、本庁舎6階の開発指導課の窓口で見通しを確かめておくと話が進めやすくなります。

この記事は一般情報です。法律・税金・相続・登記・住宅ローン等の個別案件は、税理士、司法書士、弁護士、金融機関などへ確認してください。

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編集方針:確認できる事実と一般的な判断のポイントを区別し、価格・期間・検索順位を保証する表現は用いません。

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