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SELLING JOURNAL / 進め方

岡山で不動産を売るときの媒介契約|一般・専任・専属専任の違いと選び方

この記事の確認者

代表取締役 土井 未来宅地建物取引士・2級FP・投資不動産取引士

岡山市中区倉富の住宅用分譲地2区画
写真:岡山市中区倉富 住宅用分譲地2区画(公式サイト掲載の取引実績)
まず、ここから

媒介契約は、複数社に頼める「一般」、1社に絞る「専任」、自分で見つけた買主とも直接契約できない「専属専任」の3種類です。専任と専属専任は有効期間が3か月以内で、レインズへの登録と定期的な報告が法律で義務づけられています。物件の性質と、売主が自分で動けるかどうかで選ぶのが基本です。

媒介契約とは何か、なぜ種類を選ぶ必要があるのか

不動産会社に買主探しを頼むとき、売主と不動産会社の間で結ぶのが媒介契約です。宅地建物取引業法第34条の2では、媒介契約を結んだ不動産会社は、遅滞なく、物件を特定する表示、売り出す価額、他社に重ねて依頼できるかどうか、中古建物の場合の建物状況調査(インスペクション)を行う者のあっせん、有効期間と解除、指定流通機構(レインズ)への登録、報酬などを記載した書面を作り、売主に交付しなければならないとされています。売主が承諾すれば、書面の代わりに電子的な方法で提供することも認められています。

同じ条文で、不動産会社が売り出し価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないとも定められています。査定額を聞いたときに「なぜその金額なのか」を尋ねるのは、売主として当然の確認です。

契約の種類によって「何社に頼めるか」「自分で見つけた買主と契約できるか」「不動産会社にどんな義務がかかるか」が変わります。国土交通省の消費者向けページでも、媒介契約には3つの類型があると案内されています。署名してから内容を知るのではなく、違いを理解したうえで選ぶことが、売却をスムーズに進める第一歩になります。

一般・専任・専属専任の違いを法律の規定で整理する

①一般媒介契約は、複数の不動産会社に重ねて依頼できる契約です。ほかにどの会社へ依頼したかを知らせる義務があるかどうか(明示型・非明示型)も、契約書に記載する事項です。法律上、有効期間の上限やレインズ登録、定期報告の義務は定められていません。

②専任媒介契約は、他の不動産会社に重ねて依頼することを禁じる契約です。有効期間は3か月を超えることができず、長く定めても3か月とされます。更新は売主の申出によって行い、更新後も3か月が上限です。不動産会社は契約締結の日から7日以内(休業日を除く)にレインズへ物件を登録し、業務の処理状況を2週間に1回以上報告する義務があります。

③専属専任媒介契約は、専任の内容に加えて、不動産会社が探した相手以外とは売買契約を結べない特約が付いた契約です。レインズへの登録は5日以内(休業日を除く)、報告は1週間に1回以上とされています。

なお、購入の申込みがあったときは、どの種類でも遅滞なく売主へ報告することが法律で定められています。有効期間・更新・登録・報告に関する規定に反する特約は無効です(2026年10月4日に宅地建物取引業法と同法施行規則の条文で確認)。

3種類の媒介契約の比較
項目一般媒介専任媒介専属専任媒介
他社への重ねての依頼できるできないできない
自分で見つけた相手との契約できるできる(扱いは契約書の措置による)できない
有効期間法律上の上限なし3か月以内3か月以内
レインズ登録法律上の義務なし7日以内(休業日除く)5日以内(休業日除く)
業務処理状況の報告法律上の定めなし(申込みは遅滞なく報告)2週間に1回以上1週間に1回以上
宅地建物取引業法第34条の2と同法施行規則で2026年10月4日に確認。実際の条件は媒介契約書の記載を確認してください。

他社や自分で買主を見つけたときの扱いも契約書で決まる

見落とされやすいのが、契約の「ルールを破った場合」の扱いです。宅地建物取引業法施行規則第15条の9では、媒介契約書に次の事項を記載することとされています。①専任媒介では、売主が他の不動産会社の仲介で契約を成立させたときの措置、②専属専任媒介では、売主が不動産会社の探した相手以外と契約したときの措置、③明示型の一般媒介では、知らせていない他社の仲介で契約を成立させたときの措置、④その契約が国土交通大臣の定める標準媒介契約約款に基づくものかどうか、です。

仮に、専属専任媒介で売り出し中に、隣の家の人から「うちが買いたい」と直接声をかけられた場面を考えます。専属専任は自分で見つけた相手とも直接契約できない特約が付いているため、まず依頼している不動産会社に伝え、その会社を通じて話を進めることになります。専任媒介なら自分で見つけた相手との直接の契約は禁じられていませんが、その場合の扱いも契約書の「措置」の欄で決まっています。

どの場合に何を支払う可能性があるのかは、契約書ごとに確かめる必要があります。署名前に「この欄はどういう意味か」を担当者に説明してもらい、標準媒介契約約款に基づく契約かどうかも確認しておきましょう。

レインズの登録証明書と「売主専用画面」で状況を確かめる

専任・専属専任で契約した場合、不動産会社はレインズに登録したあと、登録を証する書面を遅滞なく売主に渡さなければなりません。国土交通省の案内によると、売主はこの登録証明書に記載された情報で「売主専用画面」にアクセスし、自分の物件の取引状況を確認できます。状況は「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時停止中」の3区分で表示され、この仕組みは平成28年1月から導入されています。また、令和7年1月からは、売主専用画面へアクセスするための二次元コードも登録証明書に載るようになっています(国土交通省の案内、2026年10月4日確認)。

仮に、売主が一時停止を頼んだ覚えがないのに「売主都合で一時停止中」と表示されていたら、ほかの不動産会社からの紹介が止まっている可能性があります。その場合は、依頼している会社に理由を確認しましょう。

登録証明書を受け取ったら、①物件の所在や価格が正しく登録されているか、②状況の表示が実際と合っているか、を一度ログインして確かめておくと安心です。一般媒介ではレインズ登録は法律上の義務ではないため、登録するかどうかは契約書の「指定流通機構への登録」の欄を確認してください。

仲介手数料の上限と計算例

媒介契約書には報酬に関する事項も記載されます。国土交通省の案内では、売買の仲介手数料は物件価格に応じた料率で計算した金額が上限とされ、物件価格1,000万円の例として「200万円×5.5%+200万円×4.4%+(1,000万円-400万円)×3.3%=上限39.6万円(税込)」という計算式が示されています。

同じ式で、仮に物件価格が2,000万円なら、200万円×5.5%=11万円、200万円×4.4%=8.8万円、1,600万円×3.3%=52.8万円で、合計72.6万円(税込)が上限になります。これはあくまで上限で、この金額を必ず支払うという意味ではありません。実際の額と支払時期は契約書の報酬の欄で確認してください。

また、物件価格800万円以下の宅地・建物については「低廉な空家等」の特例として、上限を30万円の1.1倍(33万円)以内とする扱いが案内されています。仮に500万円の空き家なら、通常の式では23.1万円(税込)ですが、特例が適用されると33万円以内まで受け取れることになります。郊外の空き家や小さな土地を売るときは、特例を適用するかどうか、報酬額がいくらになるかを契約前に必ず確認しましょう(2026年10月4日に国土交通省のページで確認)。

場面別に考える、売主が種類を選ぶときの視点

どれが有利かは物件と売主の状況によって変わります。ここでは前提を置いた3つの場面で考えてみます(いずれも説明のための仮の例です)。

場面1:仮に、県外に住む人が相続した市内の実家を売る場合。現地に通えず、複数社とのやり取りも負担になるなら、専任系で1社に窓口を絞り、2週間または1週間ごとの報告とレインズの売主専用画面で状況を確かめながら進める方が管理しやすくなります。

場面2:仮に、隣地の所有者が以前から「売るなら声をかけて」と言っていた土地の場合。自分で見つけた相手と直接契約できない専属専任は合わないことがあります。一般媒介か専任媒介を選び、隣地の方と話がまとまった場合の扱いを契約書で確かめておくのが無難です。

場面3:仮に、前面道路が狭い、境界が確定していない、古い建物が残っているなど確認事項が多い物件の場合。1社がまとめて役所調査や資料集めを行い、買主に一貫して説明する方が話が通りやすい場面があります。

どの種類でも、期間をどう区切るかは大切です。専任系は3か月以内なので、反響や内覧の状況を見て、価格を見直すか、更新するか、契約の種類を変えるかを判断する節目として使えます。岡山市や倉敷市のように取り扱う会社が多い地域でも、売主の負担と物件の特徴から考えるのが基本です。

契約前から売り出し後までの手順

媒介契約は、次の順番で確認しながら進めると抜けが少なくなります。

①査定を受ける段階:査定額の根拠(周辺の取引事例、道路や接道、建物の状態など)を説明してもらい、メモに残します。依頼を考えている会社が宅建業の免許を受けているかは、国土交通省のページから案内されている事業者の検索システムで確認できます。

②契約書を受け取った段階:契約の種類、有効期間、更新と解除、レインズ登録の予定、報告の方法、広告の方法、報酬の額と支払時期、他社や自分で見つけた相手と契約したときの措置、標準媒介契約約款に基づくかどうかを読み、分からない欄は署名前に質問します。中古住宅なら、建物状況調査のあっせんの有無も確認します。

③契約直後:専任なら7日以内、専属専任なら5日以内(いずれも休業日を除く)にレインズ登録が行われるはずなので、登録証明書を受け取り、売主専用画面で登録内容を確かめます。

④売り出し中:定期報告の内容を記録し、問い合わせや内覧の数、購入申込みの有無を把握します。

⑤期間満了の前:報告をもとに、価格・販売方法・契約の種類を見直すかどうかを決めます。専任系の更新は売主の申出によるもので、自動で延びるものではない点も押さえておきましょう。

媒介契約書に署名する前のチェックリスト
  • 査定額・売り出し価額の根拠の説明を受けた
  • 契約の種類(一般・専任・専属専任)と、一般なら明示型か非明示型かを確認した
  • 有効期間と、更新・解除の扱いを確認した
  • レインズ登録の予定と登録証明書の受け取り方を確認した
  • 報告の頻度と方法(書面・電子メールなど)を確認した
  • 広告の方法を確認した
  • 報酬の額と支払時期、低廉な空家等の特例を適用するかを確認した
  • 他社や自分で見つけた相手と契約したときの措置を確認した
  • 標準媒介契約約款に基づく契約かどうかを確認した
  • 中古住宅なら建物状況調査のあっせんの有無を確認した

定期報告の読み方と、3か月目の見直し方

専任系の契約では、2週間または1週間ごとに業務の処理状況の報告を受けられます。報告は受け取るだけでなく、次の判断の材料として使うことが大切です。目を通すときは、①どの媒体にどんな内容で広告を出したか、②問い合わせや資料請求があったか、③内覧の予定と実際に見た人の反応、④購入申込みの有無、⑤担当者の見立てと次の打ち手、の5点を確認し、日付とあわせて手元に記録しておくと、あとで比べやすくなります。

仮に、専任媒介で売り出してから2か月の間に、問い合わせは何件かあるものの内覧が一度もない、という状況を考えます。この場合、写真や間取りの見せ方、価格の位置づけ、物件の情報(道路の幅や駐車のしやすさなど)の伝え方に原因がないか、担当者と話し合う材料になります。逆に、内覧はあるのに申込みに至らない場合は、建物の状態や室内の印象、周辺環境の説明など、現地で受ける印象に原因があることも考えられます。

期間満了が近づいたら、報告の記録をもとに、①同じ条件で更新する、②価格や販売方法を変えて更新する、③契約の種類を変える、④別の会社と契約し直す、のどれにするかを決めます。更新は売主の申出によって行うものなので、何もしなければ自動的に続くものではありません。満了日の2週間ほど前には方針を決めておくと、売り出しが途切れにくくなります。

困ったときの相談先と確認先

報告が届かない、説明と契約書の内容が違うなど、媒介契約をめぐって不安があるときは、まず依頼している不動産会社に書面やメールで確認し、やり取りを記録に残しましょう。

それでも解決しない場合、岡山市では消費生活センターが市役所本庁舎2階南側に窓口を設けており、平日(祝日・年末年始を除く)の午前9時から午後4時まで、電話や来所(予約優先)で相談を受け付けています。オンラインフォームでの相談もできます(2026年10月4日に岡山市の公式ページで確認)。倉敷市や瀬戸内市にお住まいの方は、それぞれの市の公式サイトで消費生活相談の窓口を確認してください。宅建業者の監督に関する相談窓口は、免許を出した行政庁によって異なるため、岡山県の公式サイトや国土交通省のページで確認するとよいでしょう。

ここで説明している内容は一般情報です。契約の解除や違約金、報酬の支払いをめぐって判断に迷う点は弁護士に、相続した不動産で名義の変更が済んでいない場合の登記は司法書士に、売却後の税金は税理士に相談してください。

トリプルギブへのご相談

トリプルギブでは、ご相談をいただいたあと物件の調査を行い、根拠のある査定をご提出します。そのうえで売却方針を明確にし、仲介で進めるか買取にするかを確定してから、媒介契約の種類や契約書の各項目についてご説明します。

岡山市を中心に、倉敷市・瀬戸内市の売却相談をお受けしています。公式サイトのCASEでは、これまでの取引実績を掲載しています。すでに他社と媒介契約を結んでいて、契約書の読み方や更新の判断に迷っている場合も、契約書と報告の記録をお持ちいただければ、内容を確認しながら今後の進め方を一緒に考えます。ただし、契約期間中の他社との契約内容に関する法的な判断が必要な場合は、弁護士への相談をおすすめすることがあります。どの契約がよいか決めかねている段階でも、物件の状況やご希望の進め方をうかがいながら一緒に整理しますので、お気軽にご相談ください。

よくある質問

Q. 専任媒介の途中で、別の会社に替えることはできますか?

専任系の有効期間は3か月以内で、更新は売主の申出によるため、期間満了時に更新せず別の会社と契約し直すことができます。期間の途中で解除したい場合は、媒介契約書の解除に関する条項によります。報告義務が守られないなど理由がある場合も含め、まず契約書の該当欄を確認し、解除の申し出は書面で行うと後の行き違いを防げます。

Q. 一般媒介で3社に頼んだら、3社に手数料を払うのですか?

報酬の額と支払いの条件は、各社と結ぶ媒介契約書の報酬の欄で定められます。依頼した会社ごとに、どのような場合に報酬が発生するのかを確認しておきましょう。また、明示型の一般媒介で知らせていない会社を通じて契約した場合などの扱いは、媒介契約書の「措置」の欄で決まっています。依頼した会社には、ほかにどこへ依頼しているかを正確に伝えておきましょう。

Q. 媒介契約を結んだら、売り出し価格は変えられませんか?

売り出し価額は媒介契約書の記載事項ですが、売主と不動産会社が合意すれば見直すことができます。反響が少ないときは、定期報告の内容や問い合わせの数をもとに、価格を下げるか、広告の方法を変えるかを相談します。不動産会社が価格について意見を述べるときは根拠を示す義務があるので、理由も合わせて説明を受けましょう。

Q. 媒介契約書は紙でもらわないといけませんか?

法律上、媒介契約の書面は売主に交付することが原則ですが、売主が承諾した場合は電子的な方法で提供することも認められています。電子で受け取る場合も、後から内容を確認できるよう、ファイルを保存したり印刷したりしておきましょう。レインズの登録証明書についても同様に、売主の承諾があれば電子的な方法での提供が認められています。

この記事は一般情報です。法律・税金・相続・登記・住宅ローン等の個別案件は、税理士、司法書士、弁護士、金融機関などへ確認してください。

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編集方針:確認できる事実と一般的な判断のポイントを区別し、価格・期間・検索順位を保証する表現は用いません。

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