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岡山で離婚にともなう家の売却|名義・住宅ローン・財産分与の整理ポイント

この記事の確認者

代表取締役 土井 未来宅地建物取引士・2級FP・投資不動産取引士

岡山市北区大元の中古マンション
写真:岡山市北区大元 中古マンション(公式サイト掲載の取引実績)
まず、ここから

離婚で家を売るときは、①登記上の名義と持分、②住宅ローンの契約者と連帯保証の状況、③売却代金をどう分けるか、を先に整理します。財産分与の進め方や税の扱いは個別事情で変わるため、この記事は一般情報として読み、弁護士・税理士・金融機関に確認してください。

最初に確認したい「名義」と「持分」

離婚にともなう売却で最初につまずきやすいのが、家の名義が夫婦の認識と一致していないことです。「二人で頭金を出したから共有のはず」と思っていても、登記上は一方の単独名義になっていることがあります。逆に、相手の同意なしに売れると思っていたら、共有名義だったと後で分かることもあります。

まず、物件所在地を管轄する法務局で登記事項証明書(登記簿)を取得し、①所有者が一人か夫婦の共有か、②共有なら持分の割合、③抵当権が設定されているか、の三点を確認します。土地と建物は別々に登記されているため、両方を確認してください。登記事項証明書は、法務省の案内によるとオンラインで請求し、郵送や法務局の窓口で受け取る方法もあるので、家を出た側が取り寄せる場合も手間はそれほどかかりません。取得した書類は、二人が同じものを見られるようにしておくと、話し合いの前提がそろいます。

共有名義の家を売る場合は、原則として共有者全員が売却に同意し、売買契約や登記の手続きに関わる必要があります。持分の割合は、売却代金の分け方を考えるときの一つの材料になりますが、財産分与の割合と同じになるとは限りません。この点は後の章で触れます。ここでの内容は一般情報であり、具体的な判断は弁護士に相談してください。

住宅ローンの契約関係を書き出す

次に、住宅ローンの契約内容を確認します。手元の金銭消費貸借契約書や返済予定表を見ながら、①単独での借入れか、②夫婦それぞれが借りるペアローンか、③一方が連帯債務者や連帯保証人になっているか、を書き出します。あわせて、現時点の残債の額と、繰上げ返済をするときの手数料の有無も借入先に確認しておくと、後の試算がしやすくなります。残債は返済予定表の数字が古いこともあるため、売却を考え始めた時点の金額を借入先に確認するのが確実です。ボーナス払いを併用している場合は、売却の時期によって返済額が変わる点にも気をつけましょう。

離婚によって夫婦の関係が変わっても、金融機関との契約が自動的に変わるわけではありません。たとえば、夫が借りたローンに妻が連帯保証人として入っている場合、離婚協議の中で「ローンは夫が払う」と決めても、金融機関との関係では妻の保証が残ることがあります。保証を外したり借り換えたりできるかどうかは、金融機関の審査や判断によります。

ローンの契約関係が整理できると、「売却して完済すれば双方の負担がなくなるのか」「売っても残る負担があるのか」が見えてきます。ローンについての記述は一般情報なので、具体的な条件は借入先の金融機関に確認してください。

売るか、どちらかが住み続けるかを話し合う

離婚にあたって家をどうするかには、大きく分けて、売却して代金を分ける方法と、どちらかが住み続ける方法があります。売却すれば、家という分けにくい財産をお金に換えられるため、整理がしやすくなる面があります。一方、子どもの学校や生活環境の事情から、一方が住み続けることを選ぶ家庭もあります。

住み続ける場合でも、ローンの名義人が家を出て返済だけを続ける形は、後で返済が滞ったときに住んでいる側の生活に影響するおそれがあります。名義を住み続ける側に移すことを考えるなら、ローンの借り換えや金融機関の承諾が必要になることが多いため、金融機関や弁護士に相談して慎重に検討してください。

売却を選ぶ場合は、売り出す前に、①いつまでに売りたいか、②いくらまでなら値下げに応じるか、③内覧の立ち会いや不動産会社との連絡をどちらが担うか、④売れるまでの間のローン返済や固定資産税をどちらが負担するか、を決めておくと、売り出してからの行き違いを減らせます。当事者同士で直接話すのが難しい場合は、弁護士を通じて条件を決めることも考えられます。決めた内容は、口約束で終わらせずメモや書面に残し、二人が同じものを持っておくと、売り出し後に条件を見直すときの基準になります。

売り出す前に夫婦で決めておくことチェックリスト
  • 登記上の名義と持分を二人で確認した
  • ローンの契約者・連帯保証の有無を確認した
  • いつまでに売りたいかを決めた
  • 値下げに応じる下限の価格を決めた
  • 内覧の立ち会いと不動産会社との連絡役を決めた
  • 売れるまでのローン返済と固定資産税の負担を決めた
  • 売却代金や不足分の分け方の方針を決めた
  • 合意内容を書面に残す方法を決めた
財産分与や税の判断は一般情報では決まりません。弁護士・税理士・金融機関に確認してください。

仮の数字で「残債」と「売却見込み額」を比べる

ローンが残っている家を売る場合は、売却代金で残債を一括返済し、抵当権を抹消して引き渡すのが一般的な流れです。そのため、売れる見込み額から費用を引いた金額で、残債を返し切れるかを先に確認します。ここでは考え方をつかむため、実在の取引ではない仮の数字で比べます。

仮に、査定をもとにした売却見込み額が2,400万円、仲介手数料や抵当権抹消の費用、引っ越しなど売却にかかる費用の合計を90万円と置くと、手元に入る見込みは2,310万円です。残債が1,800万円なら、完済後に510万円が残り、この残った代金をどう分けるかの話し合いに進めます。残債が2,500万円なら、190万円が足りません。差額を誰がどう用意するかを決めないと、抵当権を抹消できず売却を進められません。

不足が見込まれる場合の扱いは借入先との協議になるため、売り出す前に金融機関へ相談しておくことが大切です。売却見込み額は相場の思い込みではなく、物件の調査にもとづく査定で確認しましょう。費用の内訳や税金の有無によって手取りは変わるため、この計算はあくまで目安です。

財産分与の一般的な考え方(民法の規定から)

民法第768条では、協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求できると定めています。協議が調わない場合は家庭裁判所に処分を請求できますが、e-Gov法令検索で確認できる現行の条文では、離婚の時から5年を経過したときはこの限りでないとされています。売却を先送りにしているうちに期間が過ぎることのないよう、時期を意識しておきましょう。

家庭裁判所が分与を定める際には、婚姻中に取得・維持した財産の額や各当事者の寄与の程度、婚姻の期間などの一切の事情を考慮し、寄与の程度が異なることが明らかでないときは相等しいものとする、とされています。

家についても、婚姻中に夫婦で築いた財産かどうか、結婚前の貯金や親からの援助、相続で得た財産が購入資金に含まれていないかなどによって、分与の対象や割合の考え方が変わり得ます。登記の持分が2分の1ずつでも、分与の結論が同じになるとは限らないのはこのためです。条文はあくまで枠組みであり、個別の事情でどう判断されるかは弁護士に相談してください。売却を担う不動産会社が分与の割合を決めることはできません。

財産分与と税の扱い(国税庁の案内から)

国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)では、離婚によって相手方から財産をもらった場合、通常は贈与税がかからないと案内されています。ただし、分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額などを考慮してもなお多過ぎる場合はその部分に、離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合はもらった財産すべてに、贈与税がかかるとされています。

また、財産分与を土地や建物そのもので行った場合は、分与した人に譲渡所得の課税が行われ、分与した時の時価が譲渡所得の収入金額になると説明されています。つまり、家を第三者に売ってから代金を分けるのか、家そのものを相手に渡すのかで、税の関わり方が変わる可能性があります。

第三者に売って利益が出る場合には、マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除が検討対象になります。国税庁の案内では、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、配偶者や親子など特別の関係がある人への売却ではないこと、前年・前々年に同じ特例などを受けていないこと、といった要件が示されています。家を出てから売るまでの期間が長くなると要件から外れるおそれがあるため、時期に注意してください。共有名義での適用の仕方を含め、実際に使えるかどうかは税理士または税務署に確認してください。ここでの説明は一般情報です。

姓が変わった名義人は「氏名変更登記」も確認

離婚によって名義人の姓や住所が変わった場合、登記簿上の氏名・住所が今の氏名・住所と一致しなくなります。売却の際の登記では、登記簿の記載と本人の書類が一致していることが前提になるため、決済までに氏名や住所の変更登記を済ませておく必要が出てくることがあります。

法務省の案内によると、令和8年4月1日から住所等変更登記が義務化され、不動産の所有者は氏名・住所に変更があった日から2年以内に変更の登記を申請することが義務付けられました。正当な理由なく怠った場合は5万円以下の過料の対象になるとされ、施行日より前の変更でも、登記していなければ令和10年3月31日までに申請が必要と案内されています。氏名の変更もこの対象に含まれます。

売却を予定しているなら、変更登記は売却の所有権移転登記とあわせて司法書士に依頼するのが一般的です。売らずに家を持ち続ける側も、この義務の対象になる点を覚えておきましょう。

準備としては、①登記簿の氏名・住所と今の氏名・住所を見比べる、②変更の経緯が分かる戸籍や住民票などの書類をどう集めるかを司法書士に確認する、③売買の決済日から逆算して依頼する、という順で進めると慌てずに済みます。離婚後に転居を重ねている場合は、住所のつながりを示す書類が必要になることもあるため、早めに相談しておくと安心です。手続きの詳細は物件所在地を管轄する法務局か司法書士に確認してください。

売却までの手順と、岡山市で使える相談窓口

離婚にともなう売却は、次の順で進めると行き違いが少なくなります。①登記事項証明書で名義と持分を確認する。②借入先に残債と契約関係を確認する。③不動産会社に査定を依頼し、売却見込み額と費用を把握する。④残債との差額を計算し、代金の分け方や不足分の負担を話し合う。⑤合意内容を書面に残し、必要に応じて弁護士に確認してもらう。⑥名義人全員で媒介契約・売買契約を結び、決済で残債を返済して引き渡す。

離婚協議と売却の段取りが重なると、何を誰に聞けばよいか迷いがちです。岡山市では、市内在住の方を対象に弁護士による無料法律相談を行っており、令和8年度は月2回程度、さんかく岡山(男女共同参画社会推進センター)で開かれています。予約制・先着順で、一人25分、1年以内に利用していない方が対象と案内されています。

また、司法書士・土地家屋調査士による定例無料相談では、土地・建物の相続や登記に関する相談を受け付けています。日程や予約方法は年度ごとに変わるため、岡山市の公式サイトで最新の案内を確認してください。倉敷市や瀬戸内市にお住まいの方は、それぞれの市の公式サイトで相談窓口を確認しましょう。

離婚にともなう売却の流れ
  1. 01
    名義の確認

    登記事項証明書で所有者と持分を確かめる

  2. 02
    ローンの確認

    借入先に残債と契約関係を問い合わせる

  3. 03
    査定

    物件の調査にもとづく売却見込み額と費用を把握する

  4. 04
    話し合い

    残債との差額、代金の分け方、負担を決める

  5. 05
    専門家の確認

    合意内容や税・登記を弁護士・税理士・司法書士に確認

  6. 06
    契約と決済

    名義人全員で契約し、残債を返済して引き渡す

仲介か買取か、代金の受け取り方も決めておく

売り方には、不動産会社が買い手を探す仲介と、不動産会社などが直接買い取る買取があります。仲介は市場で買い手を探すため、時間はかかっても価格面の条件を追求しやすい一方、いつ売れるかは買い手次第です。買取は条件が合えば早く現金化しやすい反面、価格は仲介で売る場合と比べて低くなることがあるため、両方の条件を手取りで比べて判断します。離婚の場合は、新生活の開始時期や財産分与の話し合いの期限、二人で内覧対応を続けられるかといった事情も、どちらを選ぶかの判断材料になります。

もう一つ見落としやすいのが、決済の日の代金の流れです。売却代金は、まず借入先への残債の返済と抵当権の抹消に充てられ、残りが売主に支払われます。共有名義の場合、残りの代金を持分どおりに各名義人の口座へ振り込むのか、いったん一方が受け取ってから分けるのかで、後のやり取りが変わります。分与の合意内容と受け取り方が食い違わないよう、契約前に書面で確認しておきましょう。

仲介手数料や司法書士の報酬、引っ越し費用などの諸費用を、どちらがどの割合で負担するかも同時に決めておくと、決済後の精算がスムーズです。受け取り方を変えると税の扱いに影響しないかが気になる場合は、個別の事情として税理士にも確認してください。

トリプルギブへのご相談

株式会社トリプルギブは岡山市南区福吉町を拠点に、岡山市・倉敷市・瀬戸内市を中心とした不動産の売買・仲介を行っています。離婚にともなう売却のご相談では、物件の調査をもとに根拠のある査定をお出しし、残債と売却見込み額の関係を確認したうえで、仲介か買取かを含めた売却方針を整理します。

財産分与の割合や法的な判断は弁護士、税の判断は税理士、登記は司法書士、ローンの扱いは金融機関の確認が必要です。当社は不動産会社として、査定書や費用の見込みなど売却に必要な情報をそろえ、各専門家に相談しやすい形に整えるところからお手伝いします。ご夫婦の連絡の取り方に事情がある場合も、進め方をご相談ください。対応できるかどうかは物件ごとに確認させていただきます。

よくある質問

Q. 相手が売却に同意してくれない場合、自分の持分だけ売れますか?

共有持分だけを売ること自体は法律上あり得ますが、買い手が限られ、家全体を売る場合と比べて条件が厳しくなりやすいのが一般的です。また、離婚協議や財産分与の話し合いと切り離して進めると、後の紛争につながるおそれもあります。同意が得られないときは、持分売却を急ぐ前に弁護士に相談し、協議や調停の中で家の扱いを決める方法を検討してください。

Q. 離婚届を出す前と後、どちらで売るほうがよいですか?

一律にどちらがよいとは言えません。離婚前に売れば夫婦で手続きに関わりやすい一方、売却代金の分け方は財産分与の考え方とあわせて整理する必要があります。離婚後は、分与の請求に期間の定めがあることや、住まなくなってからの年数によって税の特例の要件が変わることに注意が必要です。時期の判断は弁護士・税理士と相談しながら決めることをおすすめします。

Q. 売り出し中も住み続けて大丈夫ですか?

住みながら売ることは可能で、実際に生活している様子を見てもらえる面もあります。ただし、内覧の日程調整や室内の片付け、どちらが立ち会うかを事前に決めておかないと、売却活動が止まりやすくなります。家を出た側がローンを払い続けている場合は、売れるまでの返済や固定資産税の負担も合意しておきましょう。

Q. 査定を依頼するのは夫婦どちらか一方でもよいですか?

査定の依頼は一方からでも受け付けられることが多く、売却見込み額を知ることは話し合いの材料になります。ただし、共有名義の場合は媒介契約や売買契約に名義人全員の関与が必要です。査定結果は双方が同じ資料を見て話し合えるよう共有し、どちらか一方だけが把握している状態を避けると、条件の合意が進めやすくなります。

この記事は一般情報です。法律・税金・相続・登記・住宅ローン等の個別案件は、税理士、司法書士、弁護士、金融機関などへ確認してください。

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編集方針:確認できる事実と一般的な判断のポイントを区別し、価格・期間・検索順位を保証する表現は用いません。

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