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SELLING JOURNAL / 査定・価格

岡山で不動産の買取を相談するときに見られる点と、提示条件で確認すること

この記事の確認者

代表取締役 土井 未来宅地建物取引士・2級FP・投資不動産取引士

和気郡和気町日笠上の中古住宅
写真:和気郡和気町日笠上 中古住宅(公式サイト掲載の取引実績)
まず、ここから

買取では不動産会社が自ら買主になるため、価格はその後の解体・リフォーム・販売にかかる費用や期間を見込んで考えられます。岡山で買取の提示を受けたら、金額だけでなく、何を差し引いた価格なのか、引渡し後の責任をどこまで負うのか、決済日や残置物の扱いはどうかを確認し、仲介で売る場合の手取りと同じ条件で並べて比べることが大切です。

買取の価格は「その後の計画」から考えられる

仲介は、不動産会社が売主と買主の間に立って契約の成立をあっせんする方法です。これに対して買取は、不動産会社が自ら買主となって物件を買い取ります。買い取った会社は、そのまま、またはリフォームや解体、造成をしたうえで次の買い手に販売することを想定します。

そのため買取価格は、「再販できる見込みの価格」から、工事の費用、販売までの期間にかかる経費、販売できなかった場合のリスクなどを差し引いて考えられるのが一般的です。仲介で売り出す想定の価格とは、考え方の出発点が違うということです。

提示額が仲介の査定額より低く見えても、それだけで良し悪しは決まりません。逆に、仲介の査定額は「その価格で売れる約束」ではありません。まずはこの仕組みの違いを押さえておくと、提示額の受け止め方や、会社に聞くべきことがはっきりします。

もう一つ確かめておきたいのが、提示の相手方です。「買取」と案内されていても、その会社自身が買主になるのか、会社が別の買主(ほかの事業者など)を紹介して仲介として取引をまとめるのかで、仲介手数料の有無や、契約の相手、責任の取り決めが変わります。最初の段階で「契約書の買主欄には誰の名前が入るのか」を聞いておくと、後の比較がぶれません。

買取が向く場面、仲介を先に考えたい場面

買取を検討しやすいのは、①住み替えや相続の手続きなどで売却の期限がはっきり決まっている②建物の傷みや家財などの残置物が多く、そのままでは一般の買い手を探しにくい③近所に知られずに売りたい、広告に出したくない④内覧の対応を何度もするのが難しい、といった事情がある場合です。

一方で、①期限に余裕がある②建物の状態が比較的よく、そのまま住みたい人が見つかりそうな立地③価格をできるだけ優先したい、という場合は、まず仲介で売り出す見込みを確認してから判断しても遅くありません。

どちらか一方に決める前に、同じ物件について仲介の見込みと買取の提示の両方を聞き、期限と手取りの両面で比べるのが現実的です。「一定期間は仲介で売り出し、売れなければ買取に切り替える」という進め方を相談できる場合もあるため、その条件や期間も含めて確認しておくとよいでしょう。

具体的な場面で考えてみます。仮に、親から相続した市内の空き家があり、遠方に住んでいて片付けや管理に通うのが難しい、という場合は、残置物の処分や引渡し時期を相談できる買取が選択肢に入りやすくなります。反対に、築年数が浅く手入れも行き届いた自宅を、住み替え先の完成まで1年ほど余裕をもって売る、という場合は、仲介で売り出したときの見込みを先に確かめる価値があります。どちらも仮の例で、実際には物件の状態と事情を合わせて判断します。

仲介と買取の比較
項目仲介買取
買主一般の買い手を探す不動産会社が自ら買う
価格の考え方市場で売れる見込みの価格再販の見込みから費用やリスクを差し引いた価格
仲介手数料告示の上限の範囲でかかる会社が自ら買主なら通常かからない
売れるまでの期間買い手が見つかるまで分からない条件が合えば決済日を相談で決めやすい
引渡し後の責任契約で範囲や期間を定める免責や範囲を限る特約が示されることがある
実際の条件は会社や物件ごとに異なります。必ず個別の提示条件で確認してください。

買取の査定で見られる点と、市内で事前に確かめられること

買取の査定では、買い取った後の計画が立てやすいかどうかが細かく見られます。①前面道路の幅や接道の状況、境界が確定しているか②建物を残して改修するか、解体するかの判断と、その費用③雨漏りやシロアリ、給排水管など建物の不具合④用途地域や市街化調整区域かどうかなど、建て替えや分割販売ができるかに関わる法令上の条件⑤家財などの残置物の量⑥ハザードマップ上の位置づけ、などです。会社が費用やリスクを自ら負うため、仲介の査定以上に価格への影響が直接的になります。

岡山市内の物件なら、売主自身でも下調べができます。市のWeb都市計画情報システムでは市街化区域・用途地域・都市計画道路などの情報を確認でき、担当は都市計画課です(旧建部町・旧御津町の区域は都市計画区域外とされています)。洪水・土砂災害・高潮・津波の想定は、市の危機管理室が案内するWEB版・PDF版のハザードマップで見られます。倉敷市や瀬戸内市の物件は、それぞれの市の公式サイトで同様の情報を確認してください。

分かっている不具合は、査定の段階で先に伝えたほうが、契約直前に条件が変わる事態を避けられます。

提示額は「何を差し引いた価格か」を聞く

買取の提示を受けたら、金額の内訳や考え方を確認しましょう。聞いておきたいのは、①想定している再販の方法(そのまま販売、リフォーム後に販売、解体して土地として販売など)②見込んでいる工事や測量、解体の費用③残置物の処分を誰の負担で行う前提か④境界の確定や測量を売主・買主のどちらが行う前提か⑤提示額がいつまで有効で、どんな調査結果が出たら見直す可能性があるか、です。

特に⑤は大切です。現地を簡単に見ただけの段階の金額と、建物の内部や境界を確認したあとの金額は、前提が違うことがあります。「どの時点で確定した金額になるのか」を聞いておくと、後からの減額に驚かずに済みます。

複数の会社から買取の提示を受けた場合も、前提条件がそろっていないと金額だけを比べても意味がありません。残置物・測量・責任の範囲・決済日について、同じ項目で回答をもらい、表にして並べると違いが見えやすくなります。口頭の説明だけで終わらせず、条件はできるだけ書面やメールで残してもらいましょう。

比べるときの表は、縦に「提示額」「残置物」「測量・境界」「責任の範囲と期間」「決済日・引渡し猶予」「仲介手数料の有無」「固定資産税の精算」を並べ、横に会社ごとの回答を書き込む形にすると整理しやすくなります。空欄が残った項目は、その会社に追加で聞くべき点です。金額の差が小さい場合は、責任の範囲や引渡しの柔軟さのほうが、売主にとって大きな違いになることもあります。

具体例:仲介と買取を「手取り」で並べてみる

仮に、ある戸建てについて「仲介なら2,000万円で売れる見込み」「買取なら1,700万円」という提示を受けた場合で考えます(数字は説明のための仮定です。仲介と買取の価格差は物件や条件によって大きく異なり、この差や比率が一般的な目安になるわけではありません)。

仲介では、媒介の報酬(仲介手数料)がかかります。国土交通省の告示では、売買の媒介で依頼者の一方から受けられる報酬の上限(消費税込み)は、代金のうち200万円以下の部分に5.5%、200万円超400万円以下の部分に4.4%、400万円を超える部分に3.3%を掛けて合計した額とされています。2,000万円なら、11万円+8.8万円+52.8万円で、上限は72.6万円です。売買契約書の印紙税は、令和9年3月31日までに作成される不動産譲渡契約書に軽減措置があり、契約金額1千万円超5千万円以下は1万円とされています。

この前提だと、仲介は約1,926万円、買取は会社が自ら買主のため仲介手数料がなく約1,699万円となり、差は約227万円です。ただし仲介の2,000万円は見込みで、売れるまでの期間や値下げの可能性、その間の管理の手間、残置物の処分や測量の費用、引渡し後の責任の範囲は含まれていません。買取の条件にこれらが含まれているなら、それも差し引いて比べる必要があります。報酬の告示は令和6年7月1日施行の改正後の内容(2026年10月時点で確認)です。税の扱いは一般情報として、個別の判断は税理士にご確認ください。

その場で決めず、契約前に確認する時間をとる

買取は話が早く進む分、提示を受けたその日に返事を求められるような場面もあり得ます。急いで売りたい事情があっても、提示条件を書面で受け取り、家族や関係者と内容を確認する時間はとりましょう。相続した物件で共有者がいる場合は、全員の合意がないと契約できないため、なおさら確認の時間が必要です。

契約の時点で注意したいのが手付です。民法第557条では、買主が売主に手付を渡したとき、買主は手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約を解除できるとされています。ただし、相手方が契約の履行に着手した後は、この方法では解除できません。契約書で手付の額や解除できる期限が別に定められていることもあるため、署名の前に、手付の額、解除の条件、違約金の定めを確認しておきましょう。

「ほかの会社の提示も聞いてから決めたい」と伝えるのは、売主として自然なことです。比較の結果、最初の会社に決めることになっても、条件を理解したうえでの判断であれば、後から迷うことは少なくなります。契約条項の解釈に不安があるときは、ここでの説明を一般情報として、弁護士などにご相談ください。

引渡し後の責任の扱いを確認する

民法では、引き渡した物件が種類や品質などの点で契約の内容に合わないとき、買主は売主に修補などの追完を求めることができ、それがされない場合の代金の減額、損害賠償や解除についても定めがあります(契約不適合責任)。また、品質などの不適合について買主が知った時から1年以内に売主へ通知しないと、原則として請求ができなくなるという期間の定めもあります(民法第566条。売主が引渡し時に知っていた場合や、重大な過失で知らなかった場合は例外)。

買取の契約では、売主がこの責任を負わない、または範囲や期間を限る特約が条件として示されることがあります。ただし民法第572条は、責任を負わない特約をしても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れることができないと定めています。特約があるから何も伝えなくてよい、ということにはなりません。

確認の手順としては、①提示条件の段階で「責任の範囲と期間」を書面で示してもらう②知っている不具合(雨漏り、シロアリ、配管、境界の越境など)を一覧にして渡す③契約書案で、その一覧が添付・反映されているかを見る、の順が分かりやすいでしょう。ここでの説明は一般情報です。契約書の特約の意味に不安があれば、弁護士などの専門家に確認してください。

決済日・引渡し・ローン・固定資産税の条件も比べる

買取は、買い手を探す期間が要らない分、決済や引渡しの時期を相談で決めやすい面があります。比べるときは、①決済日をいつにできるか②住み替え先が決まるまで引渡しを待ってもらえるか③手付金や残代金の支払い時期④抵当権が付いている場合に抹消の段取りをどうするか、を確認しておきましょう。住宅ローンが残っている場合は、借入先の金融機関で残高と一括返済の手続きを確かめ、抹消登記は司法書士に依頼するのが一般的です。

固定資産税の扱いも条件の一つです。岡山市の案内では、固定資産税は1月1日時点で登記簿に所有者として登記されている人に課税されるため、年の途中で売っても、その年度の税は売主に課税されます。年税で月割りの制度はなく、売主と買主で分ける場合の方法に決まりはないため、1月1日と4月1日のどちらを起点に計算するかも当事者の話し合いで決めるとされています。問い合わせ先は市の課税管理課です。精算の有無と起点日を、提示条件の比較表に入れておきましょう。

ローン・登記・税についての説明は一般情報です。個別の手続きは、金融機関や司法書士、税理士にご確認ください。

相談から決済までの手順と、手元に用意するもの

買取を検討するときの流れは、おおむね次のとおりです。①売却の期限と、住み替え先や家財の片付けの予定を整理する②登記事項証明書や購入時の契約書、固定資産税の納税通知書、境界の資料、建物の図面や修繕の記録など、手元の資料を集める③仲介の見込みと買取の提示を、同じ前提で出してもらう④提示額の内訳・有効期限・責任の範囲・決済日を書面で確認する⑤契約書案と重要事項の説明を受け、不明点を解消してから契約する⑥決済日に残代金の受領、ローンの返済と抵当権抹消、鍵の引渡しを行う、です。

資料がそろっていなくても相談は始められますが、購入時の契約書や領収書は、売却後の税の計算で取得費を確かめるときにも使います。国税庁の案内では、売るために支払った仲介手数料や売主が負担した印紙税などは譲渡費用になる一方、固定資産税や修繕費などの維持管理の費用は譲渡費用にならないとされています。捨てずに保管しておきましょう。

相続した物件で名義が亡くなった方のままになっている場合は、売却の前に相続登記が必要になるため、早めに司法書士に相談しておくと日程が組みやすくなります。

買取の提示条件チェックリスト
  • 提示額がどの調査を済ませた前提の金額か
  • 提示額の有効期限と、見直しがあり得る条件
  • 想定している再販方法(そのまま・リフォーム・解体)
  • 残置物の処分はどちらの負担か
  • 境界確定・測量はどちらが行うか
  • 引渡し後の責任の範囲と期間(特約の内容)
  • 決済日と引渡し日、引渡し猶予の可否
  • 抵当権抹消の段取りと固定資産税の精算方法
  • 仲介手数料の有無を含めた最終的な手取り額

トリプルギブへのご相談

株式会社トリプルギブは、岡山市南区福吉町を拠点に、岡山市・倉敷市・瀬戸内市を中心として売買・仲介と分譲地の開発を行っており、公式CASEには買取・販売の実績の一部を掲載しています。

ご相談の後は物件の調査をもとに根拠のある査定をご提出し、売却の方針を明確にしたうえで仲介か買取かを確定します。買取の場合も、価格の考え方や、残置物・測量・引渡し後の責任・決済日の条件をご説明したうえでご判断いただけるようにしています。

対応できるかどうかは物件ごとに判断しますので、他社の提示条件と比べたい、仲介と買取のどちらが合うか整理したい、という段階でもご相談ください。お手元に資料がそろっていなくても、所在地と建物の状況、売却の期限が分かれば、確認すべきことの整理からお手伝いします。

よくある質問

Q. 買取の提示額は、契約前に下がることがありますか?

最初の提示が現地の外観や資料だけをもとにした段階の金額であれば、建物内部の不具合や境界、越境、残置物の量などが分かった時点で見直される可能性があります。提示を受けたら、どの調査が済んだ前提の金額なのか、どんな事実が分かったら変わり得るのか、いつまで有効なのかを確認し、書面やメールで残してもらうと、後から条件が変わったときにも経緯を確かめやすくなります。

Q. 安い空き家だと、仲介手数料が割高になると聞きました。

国土交通省の告示では、代金が800万円以下の宅地・建物(低廉な空家等)の売買の媒介について、媒介に要する費用を勘案して、通常の計算額を超えて報酬を受けられる特例があり、依頼者から受ける額は30万円の1.1倍(33万円)が上限とされています(令和6年7月1日施行)。仲介と買取を比べるときは、この特例が適用されるかどうかと金額を、媒介契約の前に確認しておきましょう。

Q. 買取でも、知っている不具合は伝える必要がありますか?

伝えておくべきです。民法第572条では、責任を負わない特約をしても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れることができないとされています。雨漏りやシロアリの跡、給排水の不調、隣地との境界のずれなど、気になる点は口頭だけでなく一覧にして渡し、契約書に反映されているかを確認すると安心です。ここでの説明は一般情報のため、判断に迷う場合は弁護士などに相談してください。

Q. 家財が残ったままでも買取の相談はできますか?

相談自体はできます。ただし残置物の処分を売主と買主のどちらが行うかで、提示額や引渡しの時期が変わることがあります。手元に残したい物、親族に確認が必要な物、処分してよい物を大まかに分けておくと、量の見当がつき、条件の話が進めやすくなります。処分を会社側に任せる場合は、その費用が提示額から差し引かれているのかを確認し、他社の提示と同じ前提で比べましょう。

この記事は一般情報です。法律・税金・相続・登記・住宅ローン等の個別案件は、税理士、司法書士、弁護士、金融機関などへ確認してください。

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編集方針:確認できる事実と一般的な判断のポイントを区別し、価格・期間・検索順位を保証する表現は用いません。

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