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SELLING JOURNAL / 状況別

岡山で住宅ローンが残っている家を売る流れ|残債確認・抵当権抹消・金融機関との調整

この記事の確認者

代表取締役 土井 未来宅地建物取引士・2級FP・投資不動産取引士

岡山市中区桑野の建売住宅
写真:岡山市中区桑野 建売住宅(公式サイト掲載の取引実績)
まず、ここから

住宅ローンが残っていても家は売れます。多くの場合、決済日に売却代金で残債を一括返済し、同時に抵当権抹消の手続きを進めて買主へ引き渡します。最初に残債額と、費用を差し引いた手取り見込み額を並べ、返し切れるかどうかを確認することが出発点です。

ローンが残っていても売れる理由と、売却の前提

住宅ローンを借りて買った家には、通常、借入先の金融機関や保証会社を権利者とする抵当権が設定されています。抵当権は、返済が滞ったときに家を担保として処分できる権利です。抵当権が付いたままの家を買いたい人はほとんどいないため、売却では「引渡しまでに抵当権を消す」ことが前提になります。

とはいえ、ローンを先に全部返してからでないと売りに出せない、というわけではありません。一般的には、買主から受け取る売却代金で残りのローンを一括返済し、その日のうちに抵当権を消す手続きに進みます。売り出しや売買契約は、ローンが残った状態で進めることができます。

大切なのは、売却代金で残債を返し切れるかどうかを、売り出す前に確かめておくことです。返し切れない見込みの場合は、差額をどう用意するかを金融機関と相談しなければなりません。この記事はローンと登記についての一般情報です。個別の返済条件は契約先の金融機関に、登記の手続きは司法書士に確認してください。

なお、ローンを組んでいる人と登記上の所有者が同じとは限りません。夫婦の共有名義でそれぞれが借りている場合や、親子でローンを組んでいる場合などは、売却の意思決定や手続きに関わる人が増えます。誰の同意が必要になるかも、最初の段階で整理しておきましょう。

最初にそろえる書類と、確認する数字

売却の相談をする前に、手元で次のものを確認しておくと、査定や資金計画の話が具体的になります。①住宅ローンの返済予定表または残高の分かるもの(インターネットバンキングの画面でもかまいません)、②金銭消費貸借契約書など、借入れのときの契約書類、③登記事項証明書(登記簿)、④購入したときの売買契約書や重要事項説明書、⑤固定資産税の納税通知書です。

登記事項証明書は法務局で取得でき、法務局の案内ではオンラインで交付請求をして郵送や窓口で受け取る方法も紹介されています。登記簿では、所有者の名前と持分、抵当権の権利者と設定日を確認します。借り換えをしている場合や、保証会社が権利者になっている場合など、権利者の名前が借入先と違って見えることもあります。また、以前に完済したローンの抵当権が抹消されずに残っていないかも、このときに見ておきます。

残債額は、返済予定表の数字が目安になりますが、売却時に実際に返す金額は、返済日や手数料によって変わります。正確な一括返済額は、売却の時期が見えてきた段階で金融機関に確認します。

売却相談の前にそろえたいものチェックリスト
  • 住宅ローンの返済予定表(または残高の分かる画面)
  • 金銭消費貸借契約書など借入れ時の契約書類
  • 登記事項証明書(所有者・持分・抵当権の権利者を確認)
  • 完済済みの古い抵当権が残っていないかの確認
  • 購入時の売買契約書・重要事項説明書
  • 固定資産税の納税通知書
  • 売却時期の希望と、住み替え先の予定
書類がそろわなくても相談はできます。分かる範囲で用意してください。

具体例:残債と手取り見込みを並べてみる

ここでは、実在の取引ではない仮の数字で考え方を示します。仮に、家の売却価格が2,000万円になったとします。仲介で売る場合の仲介手数料は、国土交通省の告示で上限が定められており、課税事業者の場合、売買代金のうち200万円以下の部分は5.5%、200万円超400万円以下の部分は4.4%、400万円を超える部分は3.3%(いずれも消費税相当額を含む)を合計した額以内とされています。2,000万円なら、11万円と8.8万円と52.8万円を合計した72.6万円が上限です。

これに、抵当権抹消の登記費用や司法書士への報酬、引越し費用などを仮に合計30万円とすると、売却代金から差し引く費用は約102.6万円、手取りの見込みは約1,897.4万円になります。

ケースAとして残債が1,500万円なら、一括返済後に約397.4万円が手元に残る見込みです。ケースBとして残債が1,950万円なら、約52.6万円が不足します。同じ売却価格でも、残債によって進め方が大きく変わることが分かります。実際の費用は物件や依頼先によって異なり、仲介手数料も上限内で取り決めるものなので、見積もりで必ず確かめてください。

もう一つの考え方として、売り出し価格と成約価格は一致するとは限りません。価格交渉が入った場合に手取りがどう変わるかも、あらかじめ計算しておくと判断がぶれにくくなります。仮にケースAで価格が100万円下がっても残債は返し切れますが、ケースBでは不足額がさらに広がります。どこまでなら価格の調整に応じられるかという下限を、残債から逆算して決めておくと安心です。

返し切れない見込みのときに考えること

具体例のケースBのように、手取り見込みが残債に届かない場合は、売買契約を結ぶ前に差額の手当てを決めておく必要があります。差額を用意できないまま契約すると、決済日に抵当権を消せず、買主への引渡しができなくなるおそれがあるためです。

考えられる方法としては、①預貯金など手元の資金で差額を補う、②売り出し価格や販売方法を見直して手取りを増やす余地がないか検討する、③売却の時期をずらして返済を進め、残債が減ってから売る、などがあります。住み替えで新しい家を買う場合は、新しい借入れの中で扱えるかを金融機関に相談することもあります。

どの方法がとれるかは、借入先の金融機関の判断や契約内容によって異なります。返済が難しくなっている場合は、滞納が続く前に金融機関へ相談することが大切です。法的な整理が必要になるような状況では、弁護士への相談も検討してください。この部分はあくまで一般情報であり、個別の可否を示すものではありません。

不足額が小さい場合でも、決済日の直前になって判明すると資金の準備が間に合わないことがあります。査定の段階で手取りの計算を一度行い、売買契約の前にもう一度、最新の残債と確定した費用で計算し直すという二段階の確認をおすすめします。

売り出す前に不動産会社へ伝えておきたいこと

ローンが残っている家の売却では、査定を依頼する段階で、残債があることを不動産会社に伝えておくのが基本です。伝えておくことで、査定額を出すときに手取りと残債の関係まで踏み込んだ説明を受けられ、売り出し価格の決め方も現実的になります。

伝えておきたいのは、①残債のおおよその金額と借入先、②返済が予定どおり進んでいるか、③売却したい時期と、その理由(住み替え、転勤、家計の見直しなど)、④住み替え先の購入を予定しているか、⑤売却代金から最低限残したい金額です。返済が遅れがちになっている場合は、言いにくくても早めに伝えてください。残された時間に合わせて、仲介で売るか、時期を優先して買取を検討するかといった選択肢を整理しやすくなります。

不動産会社は返済条件そのものを決める立場ではありませんが、売却の段取りの中で、金融機関や司法書士との連絡がどのタイミングで必要になるかを示すことはできます。

売買契約から決済日までの流れ

ローンが残っている家の売却では、売買契約から引渡しまでの間に、金融機関と司法書士との段取りが加わります。一般的な流れは次のとおりです。

まず売買契約を結んだら、できるだけ早く金融機関に一括返済の予定を伝えます。金融機関によっては、一括返済の申し出から返済日までに一定の期間を求めることがあるためです。次に、決済日が決まったら、その日の一括返済額を確定してもらい、抵当権抹消に必要な書類を誰がどのように受け取るかを、金融機関と司法書士との間で調整します。

決済日当日は、買主から残代金を受け取り、そのお金で残債を一括返済し、抵当権抹消の書類を受け取ります。司法書士は、所有権移転の登記とあわせて抵当権抹消の登記を申請します。買主にとっては、抵当権が消えることを確認できなければ代金を払えないため、これらは同じ日に、売主・買主・金融機関・司法書士が時間を合わせて進めるのが通常です。売主は、代金を受け取る口座と返済に使う口座の関係も事前に確認しておきましょう。

買主が住宅ローンを利用する場合は、買主側の金融機関の手続きも同じ日に動きます。決済の場所や時間は、売主側と買主側の金融機関、司法書士の都合を合わせて決めるため、売主の希望だけで決められないこともあります。平日の日中に行われることが多いので、仕事の予定などを早めに調整しておきましょう。

ローンが残る家の売却から引渡しまでの流れ
  1. 01
    残債の確認

    返済予定表と登記簿で残高と抵当権を確かめる

  2. 02
    査定と資金計画

    手取り見込みで残債を返し切れるかを確認する

  3. 03
    売り出し・売買契約

    契約後すぐに金融機関へ一括返済の予定を伝える

  4. 04
    返済額の確定

    決済日の一括返済額と抹消書類の受け取り方法を決める

  5. 05
    決済日

    代金受領、一括返済、抵当権抹消と所有権移転の登記申請

  6. 06
    引渡し後

    固定資産税の精算や保証料の扱いなどを確認する

抵当権抹消登記の基本(法務局の案内から)

ローンを返し終えても、登記簿上の抵当権は自動的には消えません。抹消の登記を申請して初めて登記簿から消えます。法務局の申請書様式の案内では、抵当権の抹消登記は、抵当権者(金融機関など)を登記義務者、所有者を登記権利者とする共同申請が原則とされ、申請先は不動産の所在地を管轄する法務局で、オンライン申請にも対応していると説明されています。また、添付する書面は原本の添付が原則とされています。

売却の場面では、所有権移転の登記とあわせて司法書士に依頼するのが一般的です。登録免許税がかかるため、金額は法務局や国税庁の案内で確認するか、依頼する司法書士に見積もってもらいましょう。

注意したいのは、過去に完済した別のローンの抵当権が登記簿に残ったままになっているケースです。完済したときに受け取った書類を保管していない場合や、相当前の抵当権である場合は、抹消の準備に時間がかかることがあります。売却を決める前の段階で登記簿を確認し、気になる記載があれば早めに司法書士に相談してください。

当地で確認できる窓口:法務局と固定資産税

登記の管轄は、物件の所在地によって決まります。岡山地方法務局の案内では、本局の不動産登記の管轄区域は岡山市、玉野市、赤磐市、加賀郡吉備中央町とされています。倉敷市や瀬戸内市などの物件は、法務局の管轄区域一覧で担当の支局・出張所を確認してください。登記の手続き自体は司法書士に任せることが多いものの、登記簿の取得や管轄の確認は売主自身でもできます。

売却の年の固定資産税も、資金計画に入れておきたい項目です。岡山市のよくある質問では、固定資産税は1月1日現在に登記簿上の所有者として登記されている人に課税され、年税のため月割課税制度はないと説明されています。年の途中で売っても、その年度の納税通知は売主に届くということです。

また、売主と買主の間の負担のあん分については、法律で特に定められておらず、1月1日から計算するか4月1日から計算するかは当事者で話し合って決めるよう案内されています。実務では売買契約で精算方法を決めることが多いため、契約前に確認しておきましょう。倉敷市など他の市町の物件は、それぞれの公式サイトで確認してください。

家の前の道路が建築基準法上の道路にあたるかなど、物件そのものの調査は不動産会社が行いますが、ローンの残る家を売るときは手続きの窓口が多くなります。どの窓口に誰が確認するのかを、相談の初めに一覧にしておくと抜け漏れを防げます。

金融機関に早めに聞いておきたいこと

売却を決めたら、借入先の金融機関に次の点を確認しておくと段取りがスムーズです。①売却予定日ごろに一括返済する場合の返済額の目安と、繰上返済の手数料の有無、②一括返済の申し出の方法と、申し出から返済日までに必要な期間、③抵当権抹消書類の受け取り方法(窓口か郵送か、司法書士が受け取れるか)、④保証料の返戻など、一括返済にともなって変わる契約上の扱い、⑤手取りで残債を返し切れない場合に相談できる窓口です。

ここで分かった内容は、査定や販売を任せる不動産会社にも共有しておくと、契約日や引渡し日を決めるときに無理のない日程を組めます。住み替えで新しいローンを組む予定がある場合は、借入先が同じか別かによっても段取りが変わるため、両方の金融機関に早めに相談しておきましょう。

金融機関とのやり取りは、電話で済ませず、確認した内容と日付、担当者名をメモに残しておくと、後で条件を確認し直すときに役立ちます。

また、団体信用生命保険に加入している場合、一括返済をするとローンとともに保険の扱いも変わるのが一般的です。住み替え先で新しいローンを組むまでの間に保障の空白ができないかなど、生活全体への影響も金融機関に確認しておくと安心です。

トリプルギブへのご相談

株式会社トリプルギブは岡山市南区福吉町を拠点に、岡山市・倉敷市・瀬戸内市を中心とした不動産の売買・仲介を行っています。ご相談をいただいた後は、物件の調査をもとに根拠のある査定をお出しし、残債と手取り見込み額の関係も一緒に確認したうえで、仲介か買取かなどの売却方針を決めていきます。

返済条件の詳細は金融機関、登記は司法書士の確認が必要になる点も踏まえ、それぞれに何を聞けばよいかを整理するところからお手伝いします。ローンが残っている家の売却で迷っている段階でも、お気軽にご相談ください。対応できるかどうかは物件ごとに確認させていただきます。

よくある質問

Q. 一括返済のときに手数料はかかりますか?

繰上返済や一括返済の手数料の有無や金額は、借入先の金融機関やローンの種類、手続きの方法によって異なります。店頭での手続きとインターネットでの手続きで扱いが違うこともあります。売却の時期が見えてきた段階で、借入先に一括返済の方法と手数料を確認し、手取りの計算に入れておきましょう。

Q. 売った年の固定資産税は、売主と買主のどちらが払うのですか?

岡山市の案内では、固定資産税はその年の1月1日現在に登記簿上の所有者である人に課税され、月割課税の制度はありません。そのため納税通知は売主に届きます。ただし、売主と買主の間でどうあん分するかは当事者で話し合って決めるものとされており、売買契約で引渡し日を基準に精算する取り決めをすることが多いです。

Q. 何年も前に完済したローンの抵当権が登記簿に残っていました。売れますか?

残ったままでは買主に引き渡せないため、売却までに抹消の登記が必要です。完済時に金融機関から受け取った書類が手元にあれば、それを使って手続きできる場合があります。書類が見当たらない、金融機関の名前が変わっているといった場合は準備に時間がかかることがあるので、早めに司法書士に相談してください。

Q. 住みながら売り出して、引渡しまで住み続けることはできますか?

住みながら売り出すことは一般的に行われています。内覧の日程調整は必要になりますが、引渡し日までは住み続け、決済日に合わせて退去する形をとることができます。新居への引越し時期と決済日をどう合わせるかは買主との交渉になるため、売り出しの段階で希望の時期を不動産会社に伝えておきましょう。

この記事は一般情報です。法律・税金・相続・登記・住宅ローン等の個別案件は、税理士、司法書士、弁護士、金融機関などへ確認してください。

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編集方針:確認できる事実と一般的な判断のポイントを区別し、価格・期間・検索順位を保証する表現は用いません。

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