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SELLING JOURNAL / 状況別

岡山で家が売れないときの見直しポイント|価格・販売方法・見せ方・媒介契約

この記事の確認者

代表取締役 土井 未来宅地建物取引士・2級FP・投資不動産取引士

岡山市南区福富中の中古戸建
写真:岡山市南区福富中 中古戸建(公式サイト掲載の取引実績)
まず、ここから

反応がないときは、いきなり値下げを決めるのではなく、問い合わせ・内覧・申込みのどこで止まっているかを確かめ、価格の根拠、販売の仕方、物件の見せ方、媒介契約の内容を順に点検します。止まっている段階によって、見直すべき点が変わります。

まず「どこで止まっているか」を分けて考える

「売れない」と一口に言っても、状況はいくつかに分かれます。①広告を見られていない、または問い合わせが来ない、②問い合わせはあるが内覧につながらない、③内覧はあるが申込みにならない、④申込みはあるが条件が合わず契約に至らない、のどれにあたるかで、原因の見当が変わります。

①なら価格帯や広告の出し方、物件情報の載せ方、②なら写真や情報の分かりにくさ、③なら現地の印象や室内の状態、周辺環境の説明、④なら価格交渉や引渡し時期などの条件が主な見直し先です。

仮に、売り出してから2か月で問い合わせが数件あったのに内覧が1件もない場合を考えます。この場合、物件を探している人の目には一応とまっているので、価格だけが原因とは言い切れません。写真や間取り図、周辺の情報を見た段階で候補から外れている可能性を先に疑うほうが筋が通ります。岡山市内の住宅地でも郊外の物件でも、反応の中身を分けずに価格だけを下げると、本当の原因が別にあった場合に手取りだけが減ってしまいます。

もう一つ大切なのは、見直しを一度にたくさん行わないことです。写真の差し替えと値下げと広告先の追加を同時にすると、どれが効いたのかが分からなくなります。止まっている段階に合わせて優先順位をつけ、変えた内容と時期を書き留めておくと、次の判断がしやすくなります。

反応を数字で振り返る:売主用の記録をつける

どこで止まっているかを判断するには、感覚ではなく記録が役に立ちます。不動産会社からの報告を受けるたびに、①報告日、②その期間の問い合わせ件数と内容(価格、駐車場、学区など何を聞かれたか)、③内覧の件数と、内覧した人の感想、④価格や条件の交渉の有無、⑤広告の掲載先や掲載内容の変更、を一枚の表に書き足していきます。

記録をつけると、たとえば「問い合わせは駐車台数のことばかり」「内覧者が日当たりを気にして帰る」といった傾向が見えてきます。こうした傾向は、価格を動かすべきか、説明や見せ方を変えるべきかを決める手がかりになります。

報告が「反響はあまりありません」のような一言だけで終わっていると、この表は埋まりません。その場合は、問い合わせの件数や内容、内覧者の反応を具体的に教えてほしいと担当者に伝えましょう。後で述べるとおり、専任媒介契約や専属専任媒介契約では、業務の処理状況を定期的に報告することが法律で義務づけられています。記録は、媒介契約の期間満了の時期に、続けるか見直すかを話し合う材料にもなります。

反応を振り返るためのチェックリスト
  • 報告日と、報告の対象期間を書き留めた
  • 問い合わせの件数と、何を聞かれたかを記録した
  • 内覧の件数と、内覧した人の感想を聞いた
  • 価格や引渡し時期などの交渉があったかを確認した
  • 広告の掲載先と、写真・紹介文の変更履歴を把握した
  • レインズの登録内容と取引状況を売主専用画面で確かめた
  • 媒介契約の種類と満了日を確認した
記録は媒介契約の満了時に、続けるか見直すかを話し合う材料になります。

価格は「下げるか」ではなく「根拠が合っているか」を見る

宅地建物取引業法第34条の2第2項では、不動産会社が媒介契約に記載する売買すべき価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないとされています。売り出し価格を見直すときも、まずは当初の価格がどんな根拠で決まったのか、比べた事例はどれか、物件のどの点をどう評価したのかを確認しましょう。

周辺の取引の状況は、国土交通省の不動産情報ライブラリで調べられます。取引価格情報は土地、土地と建物、中古マンション等などの種類から検索でき、成約価格情報は「土地と建物」と「中古マンション等」に限られています。取引時期は直近5年分から選べ、住所から地区まで絞り込めます(2026年10月4日確認時点の案内)。

ただし、土地の形や接道の状況、道路との高低差、建物の傷み具合やリフォームの有無で価格は大きく変わるため、近くの事例の数字をそのまま当てはめることはできません。事例を見るときは、同じ種類の物件か、面積や築年数が近いか、取引時期が古すぎないかを確かめます。根拠を見直した結果、今の見られ方と合っていないと分かったなら調整を検討し、価格は妥当でも別の段階で止まっているなら、価格以外の点を先に見直します。

価格を調整するときの考え方

価格を調整すると決めた場合も、下げ幅は「なんとなく」ではなく、根拠と記録から決めます。何か月たったら下げる、という決まりはありません。

仮に、2,580万円で売り出した戸建てについて、記録から「問い合わせはあるが内覧に進まない」「比べられている物件が2,400万円台に多い」と分かったとします。この場合、検討者が物件を探すときに入力する価格の上限をまたぐかどうかが一つの考え方になります。たとえば2,500万円以下で探している人には、2,580万円の物件は検索結果に出てこない可能性があります。数字はあくまで説明のための仮定で、実際の線引きは地域や物件の種類によって異なります。

調整の前には、手取りの見込みも確かめておきましょう。住宅ローンが残っている場合、売却代金で残高を返済できるかが前提になります。ここでの説明は一般情報であり、残高や繰上返済の手続きは借入先の金融機関に、売却益が出る場合の税金は税理士や税務署に確認してください。下げ幅を決めたら、次の報告から反応がどう変わったかを記録に残し、再度の判断に使います。

価格を変えたときは、媒介契約に記載した売買すべき価額も変わることになるため、不動産会社との間で変更の書面や記録をどう残すかも確認しておきましょう。広告やレインズの登録内容に新しい価格が反映されているかも、あわせて確かめます。

販売の仕方:媒介契約の種類と報告の義務を確認する

媒介契約には、他の不動産会社に重ねて依頼できる一般媒介契約、重ねて依頼できない専任媒介契約、さらに自分で見つけた相手とも直接契約できない特約が付いた専属専任媒介契約があります。どれを結んでいるかで、不動産会社の義務が違います。

宅建業法では、専任媒介契約を結んだ不動産会社は、国土交通大臣が指定する指定流通機構(レインズ)に物件を登録し、登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければならないとされています。登録の期限は、施行規則で契約締結の日から7日(専属専任媒介は5日)、休業日は数えないと定められています。また、業務の処理状況を2週間に1回以上(専属専任媒介は1週間に1回以上)報告する義務があります。購入の申込みがあったときは、媒介契約の種類にかかわらず遅滞なく依頼者に報告しなければなりません。

反応がないと感じたら、①登録を証する書面を受け取っているか、②どの媒体にどのような情報で広告しているか、③報告で問い合わせや内覧の状況がどこまで具体的に伝えられているか、を確認しましょう。一般媒介契約では定期報告の義務は法律上ないため、報告の頻度や方法を担当者と取り決めておくと状況をつかみやすくなります。

媒介契約3種類の比較
項目一般媒介専任媒介・専属専任媒介
他社への重ねての依頼できるできない
自分で見つけた相手との契約できる専任はできる/専属専任はできない
指定流通機構への登録法律上の義務なし専任は7日、専属専任は5日以内(休業日を除く)
業務の処理状況の報告法律上の定期報告義務なし専任は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上
有効期間契約書で定める3か月以内(更新は依頼者の申出による)
購入の申込みがあったときの報告は、どの媒介契約でも遅滞なく行う義務があります(宅地建物取引業法第34条の2、2026年10月4日確認)。

レインズの登録内容と取引状況を売主自身で確かめる

専任媒介契約や専属専任媒介契約で受け取る登録を証する書面(登録証明書)は、しまい込まずに中身を確認しましょう。施行規則では、指定流通機構に登録する事項として、所在や規模、価格のほか、都市計画法などに基づく主要な制限や、取引の申込みの受付に関する状況が定められています。

国土交通省の消費者向けの案内によると、売主は登録証明書に記載されたURLとID・パスワードで「売主専用画面」に入り、登録された物件の取引状況を自分で確認できます。状況は「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時停止中」の3区分で表示され、令和7年1月からは、スマートフォンのカメラで読み取れる二次元コードも登録証明書に載るようになっています(2026年10月4日確認)。

確認するときのポイントは、①価格や面積、間取りなどの登録内容が実際と合っているか、②売りに出しているのに「一時停止中」になっていないか、③価格を変えたときに登録内容も変わっているか、の3点です。食い違いがあれば、担当者に理由を聞き、訂正を依頼しましょう。

申込みが入ったのに報告がない、という不安がある場合も、この画面で「書面による購入申込みあり」の表示があるかを見ることで、状況を自分で確かめられます。一般媒介契約ではレインズへの登録が法律上の義務ではないため、登録しているかどうかを担当者に尋ねるところから始めます。

物件の見せ方:写真・情報・現地の印象を整える

問い合わせや内覧につながらない場合は、見せ方に改善の余地があることが多いものです。①写真が暗い、部屋の数に対して枚数が少ない、外観や周辺の様子が分からない、②間取りや設備、リフォームの履歴、土地なら面積や接道、用途地域などの基本情報が不足している、③境界や越境の有無、建物の不具合など、買主が気にする点への説明がない、といった点を見直します。

用途地域などの都市計画の情報は、岡山市の「Web都市計画情報システム」の案内ページ(都市計画課)から確認方法をたどれます。前面の道路が建築基準法上のどの種類の道路かは、市の地図情報システムで参考図を見られるほか、最新の情報は本庁の建築指導課の窓口で確認する案内になっています(電話などでは対応していないとされています)。倉敷市や瀬戸内市の物件は、それぞれの市の公式サイトで確認先を調べてください。

内覧があるのに申込みにならない場合は、現地の印象も点検します。住みながらの売却なら、生活感の強い物を片付け、明るさと風通しを確保するだけでも印象は変わります。空き家なら、庭木や雑草、郵便物の管理が行き届いているかを定期的に見に行きましょう。

申込みが条件で崩れるとき:価格以外の条件を点検する

申込みまでは来るのに契約に至らない場合は、価格そのものより、売買の条件が買主の事情と合っていないことがあります。点検したいのは、①引渡しの時期(住み替え先が決まるまで引き渡せない、など)、②家具や家電などの残置物をどうするか、③隣地との境界がはっきりしているか、④建物の不具合をどこまで把握して伝えているか、の4点です。

仮に、売主の引っ越し先が決まらず「引渡しは半年後」としていたところ、買主は子どもの入学に合わせて3か月以内の入居を希望していた、という場面を考えます。この場合、価格を下げても話はまとまりにくく、仮住まいを含めて引渡し時期を前倒しできないか、残置物の処分を売主側で済ませられないかを検討するほうが近道になることがあります。

建物の状態に不安を持たれやすい中古住宅では、建物状況調査(インスペクション)も検討材料になります。宅建業法では、既存の建物の媒介契約書に、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載することになっています。調査をするかどうか、費用をどちらが負担するかは、担当者と相談して決めましょう。境界の確定や引渡し条件の法的な扱いで迷う場合は、土地家屋調査士や弁護士などの専門家に確認してください。

期間満了・依頼先の見直し・買取という選択肢

宅建業法では、専任媒介契約の有効期間は3か月を超えることができず、更新は依頼者の申出によって行い、更新後も3か月を超えられないとされています。これに反する特約は無効です。期間の満了は、記録をもとに、同じ条件で続けるか、価格や見せ方、依頼先を見直すかを考える区切りになります。更新を自動的に受け入れるのではなく、何を変えるかを話し合ってから判断しましょう。期間の途中で解除できるかどうかは、媒介契約書の解除に関する定めによります。

空き家になっている物件では、岡山市の「空き家情報バンク」も選択肢の一つです。ただし登録できるのは、申請時点で宅地建物取引業者と媒介契約を結んでいない物件とされ、市は情報発信のみで交渉には直接関わらない仕組みです。案内は建築指導課空家対策推進室が担当しています。

売却に期限がある場合や、建物の状態から一般の買主への販売が難しい場合は、不動産会社が直接買い取る方法もあります。時期の見通しは立てやすい一方、価格の考え方が仲介と異なるため、両方を比べて判断します。ここで紹介した法律の内容は一般情報であり、契約の解除などで迷う場合は弁護士などの専門家に確認してください。

トリプルギブへのご相談

株式会社トリプルギブは岡山市南区福吉町を拠点に、岡山市・倉敷市・瀬戸内市を中心とした不動産の売買・仲介を行っています。売り出し中の物件で反応がないというご相談でも、物件の調査をもとに根拠のある査定をお出しし、どの段階で止まっているかを一緒に確認したうえで、仲介を続けるか買取にするかを含めた売却方針を明確にします。

公式サイトのCASEには、分譲地や戸建て、収益物件などの取引実績を掲載しています。他社と媒介契約中の場合は、契約の種類と期間、満了日を確認したうえでご相談ください。対応できるかどうかは物件ごとに確認させていただきます。

よくある質問

Q. 専任媒介契約の途中でも、別の不動産会社に依頼し直せますか?

途中で解除できるかどうかは、媒介契約書に記載された解除に関する定めによります。宅建業法では媒介契約の書面に有効期間と解除に関する事項を記載することになっているので、まず契約書を確認しましょう。専任媒介契約の更新は依頼者の申出によるため、満了日に更新しなければ、そこで区切りをつけることができます。迷う場合は弁護士などに相談してください。

Q. 一般媒介契約で複数の会社に頼めば、早く売れますか?

窓口が増えて広く知られる面はありますが、早く売れるとは限りません。一般媒介契約には、指定流通機構への登録義務や定期報告の義務が法律上ないため、各社の活動状況が見えにくくなることがあります。複数社に頼む場合は、報告の頻度や広告の出し方を各社と取り決め、価格や物件情報が会社ごとに食い違わないよう管理することが大切です。

Q. 売り出し中の空き家を、市の空き家情報バンクにも載せられますか?

岡山市の空き家情報バンクは、登録申請の時点で宅地建物取引業者と媒介契約を結んでいない物件が対象とされています。そのため、媒介契約中の物件はそのままでは登録できません。登録後は、取扱いを希望する業者の中から1社を選んで媒介契約を結ぶ流れです。利用を考える場合は、今の契約の満了時期を確認したうえで、市の担当窓口に条件を問い合わせてください。

Q. 仲介で売り出しながら、買取の査定も取ってよいですか?

比較のために買取の査定額を聞いておくこと自体は問題ありません。ただし、専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んでいる場合、別の会社に売却する場合の扱いは媒介契約書の定めによるため、実際に買取で売る前に契約内容を確認してください。仲介の手取りの見込みと、買取の価格や引渡し時期を並べて比べると判断しやすくなります。

この記事は一般情報です。法律・税金・相続・登記・住宅ローン等の個別案件は、税理士、司法書士、弁護士、金融機関などへ確認してください。

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編集方針:確認できる事実と一般的な判断のポイントを区別し、価格・期間・検索順位を保証する表現は用いません。

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