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SELLING JOURNAL / 査定・価格

机上査定と訪問査定の違いは?岡山で不動産査定を頼む前にそろえる書類

この記事の確認者

代表取締役 土井 未来宅地建物取引士・2級FP・投資不動産取引士

岡山市北区西辛川の中古戸建
写真:岡山市北区西辛川 中古戸建(公式サイト掲載の取引実績)
まず、ここから

机上査定は資料と周辺の取引データから出す目安、訪問査定は現地や室内、道路との関係まで確認したうえで出す価格の意見です。岡山で査定を頼む前に、登記事項証明書や購入時の契約書、建築確認の書類、修繕記録をそろえ、公的な取引価格データも一度見ておくと、どちらの査定でも前提のずれが小さくなり、根拠の説明も比べやすくなります。

机上査定と訪問査定は「見る材料」が違う

不動産会社に売却価格の意見を求める方法には、資料とデータをもとに出す「机上査定」(簡易査定とも呼ばれます)と、担当者が現地や室内を見たうえで出す「訪問査定」があります。どちらも法律で決められた名前ではないため、会社によって呼び方や中身は少しずつ異なります。依頼するときは「どこまで確認したうえでの金額か」を最初に聞いておくと、後の比較がしやすくなります。

机上査定は、所在地・面積・築年数などの情報と、周辺の取引事例や公示価格などのデータを照らし合わせて目安を出す方法です。結果を早く受け取りやすい反面、建物の傷み具合、日当たりや眺望、隣地との境界、前面道路の幅や接道の状況、擁壁や高低差といった、現地でしか分からない要素は十分に反映できません。

訪問査定はそうした個別の事情を確認できるため、売出価格を決める段階ではより実態に近い材料になります。相場の幅をまず知りたい段階なら机上査定、売却の時期や方法を具体的に考え始めたら訪問査定、という使い分けが考えやすいでしょう。机上査定の段階でも、資料を多く渡すほど結果は現実に近づきます。

査定額には根拠の説明が求められている

宅地建物取引業法第34条の2第2項は、宅地建物取引業者が売買すべき価額や評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないと定めています。国土交通省の資料では、同省の通知「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」で、意見の根拠は価格査定マニュアルや同種の取引事例など、合理的な説明がつくものとされていることが紹介されています。

査定額を受け取ったら、「どの取引事例と比べたのか」「建物をどう評価したのか」「何を加点・減点したのか」「どのくらいの期間で売れる前提か」を遠慮なく質問してかまいません。机上査定であっても、比べた事例と前提条件を聞いておくと、後で訪問査定の結果と比べたときに差が出た理由が分かりやすくなります。説明の中身が金額だけで、事例や前提が示されない場合は、追加で資料を求めましょう。

また、国土交通省が示している売却の流れでは、物件調査(基礎的調査)、価格査定、媒介契約の締結という順番が挙げられています。査定は調査の結果を受けて出るものなので、調査の材料をそろえることが、根拠のある査定を受ける近道になります。

査定の結果は、口頭だけでなく書面やデータで受け取っておくと安心です。複数の会社に頼む場合は、比べた事例の所在地・面積・時期、建物の評価の考え方、想定している売却期間を同じ項目で一覧にしておくと、金額の差がどこから生じているのかを家族とも共有しやすくなります。

依頼する前にそろえる資料と取得先

資料が多いほど、査定の前提が実際の物件に近づきます。主なものは、①登記事項証明書(土地・建物の所在、地番、面積、所有者などが分かる)②地積測量図や境界に関する書類③固定資産税の納税通知書④購入時の売買契約書や重要事項説明書⑤建築確認・検査済証の書類や間取り図⑥リフォームや修繕の記録、です。マンションなら管理規約や修繕積立金の額が分かる書類も加えます。

手元に無いものは取得先を確かめましょう。登記事項証明書や地積測量図などの図面証明書は、法務局へオンラインで交付請求することもできます。建築確認の書類が見当たらない場合、市内の建物であれば、岡山市建築指導課で建築計画概要書の閲覧・交付や、建築台帳記載事項証明書の申請ができると公式サイトで案内されています(台帳記載事項証明書の申請は建築主または現在の所有者に限られ代理人も可、手数料は1件300円。2026年10月時点の案内)。

前面道路が建築基準法上のどの道路に当たるかは、市の地図情報で参考図として公開されており(令和6年4月1日から)、最新の状況は本庁舎6階の建築指導課窓口の地図で確認するよう案内されています。倉敷市や瀬戸内市の物件は、それぞれの市の公式サイトで窓口を確認してください。

査定前にそろえる資料チェックリスト
  • 登記事項証明書(土地・建物)
  • 地積測量図・境界に関する書類(あれば)
  • 固定資産税の納税通知書
  • 購入時の売買契約書・重要事項説明書
  • 建築確認・検査済証の書類、間取り図
  • リフォーム・修繕の記録(時期・内容)
  • 住宅ローンの残高が分かる書類
  • 前面道路の種別(市の地図情報や窓口で確認)
そろっていない資料があっても査定は受けられます。分かる範囲で用意しましょう。

査定の前に、公的な取引データを自分で見ておく

査定額の説明を聞くとき、周辺でどのような取引があったかを少しでも知っていると、比べた事例が妥当かどうかを判断しやすくなります。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産の取引価格や地価公示などの価格情報に加え、防災情報、都市計画情報、周辺施設の情報を地図上で調べられます。

同サイトの案内によると、不動産取引価格情報は検索画面で平成17年7月以降、成約価格情報は令和3年2月以降の分を検索でき、地図表示ではそれぞれ直近5年分(最大)が対象です。成約価格情報で検索できる種類は「土地と建物」と「中古マンション等」に限られます。検索では地域・種類・時期・価格情報区分を指定できます(いずれも2026年10月時点の案内)。地価公示や都道府県地価調査の地点の価格も確認できます。

ただし、公開されている取引は個別の事情を含んだ一件ごとの結果で、面積や築年数、道路との関係が自分の物件と同じとは限りません。データは「査定額が大きく外れていないかを確かめる物差し」として使い、価格そのものは訪問査定で個別の事情を織り込んだ意見と合わせて考えるのが安全です。同じ地図で都市計画やハザード情報を見ておくと、訪問査定の際に質問したい点も整理できます。

査定の依頼から結果を受け取るまでの手順

初めて査定を頼む場合は、次の順番で進めると迷いにくくなります。

①目的を決める:相場の幅を知りたいのか、売却時期まで具体的に決めたいのかを整理します。②手元の資料を集める:前のセクションの資料を、そろっているものだけでもまとめます。③公的データを見る:不動産情報ライブラリで周辺の取引を数件見ておきます。④依頼先に伝える:所在地、種類、面積、築年数、希望時期、住宅ローンの有無、名義の状況を伝えます。⑤机上査定の結果を受け取る:金額と一緒に、比べた取引事例と前提条件を確認します。⑥訪問査定の日程を決める:室内と外回り、境界標の位置を見られるようにしておきます。⑦訪問査定の結果と根拠の説明を受ける:机上査定との差がどこから来たのかを聞きます。⑧売却方針を相談する:仲介か買取か、売出価格をどうするかを話し合います。

共有名義の物件や相続した物件では、売却の判断に関わる全員が査定結果を見られるよう、書面やデータで受け取っておくと話し合いが進めやすくなります。どの段階でも、その場で媒介契約を結ぶ必要はありません。説明に納得できてから次に進めば十分です。

査定の依頼から方針決定までの流れ
  1. 01
    目的を決める

    相場の目安か、具体的な売却準備か

  2. 02
    資料を集める

    登記・契約書・建築確認・修繕記録

  3. 03
    公的データを見る

    不動産情報ライブラリで周辺の取引を確認

  4. 04
    机上査定

    金額と比べた事例・前提を確認

  5. 05
    訪問査定

    室内・外回り・境界・道路を確認

  6. 06
    根拠の説明

    机上査定との差の理由を聞く

  7. 07
    方針を相談

    仲介か買取か、売出価格を検討

訪問査定の当日に伝えること・見られること

訪問査定では、担当者が建物の外回りや室内、敷地と道路の関係、周辺の状況を確認します。書類や目視では分からない情報は、売主から伝えるのが確実です。所要時間は物件の規模や確認する範囲によって変わるため、日程を決めるときに目安を聞いておきましょう。

伝えておきたいのは、①雨漏り・シロアリ・給排水の不具合など、過去と現在の不具合と修理の有無②境界標の位置や隣地とのやり取り③増築や用途変更の有無④越境している木や塀、共有の私道など近隣と関わる事情⑤売却の希望時期や住み替えの事情、などです。メモにしておくと伝え漏れを防げます。

不具合を伝えると査定が下がると心配になるかもしれません。しかし引渡し後に契約の内容と合わない点が見つかると、売主の責任が問題になることがあります。早めに共有して価格や契約条件に織り込むほうが、結果として安全です。当日は、敷地の境目や裏側、床下点検口、屋根裏点検口などを見られるよう、物を寄せておくと確認がスムーズに進みます。

手元の資料は、当日すぐ見せられるようにひとまとめにしておきましょう。購入時の重要事項説明書には、法令上の制限や道路の種別、上下水道の状況などが記載されていることが多く、担当者が現地で確かめるべき点を絞る手がかりになります。ただし購入時から法令や周辺の状況が変わっている場合もあるため、記載内容は改めて役所の窓口などで確認してもらうのが前提です。

具体例:仮に3社の査定額が分かれた場合

ここでは説明のための仮の例を考えます。金額は架空のもので、実際の相場や取引を示すものではありません。仮に市内の築25年の木造戸建てについて、A社が2,300万円、B社が2,050万円、C社が1,900万円と提示したとします。

差の理由を聞くと、A社は近くの築浅の戸建ての事例を中心に比べ、建物の傷みは机上の想定で評価していた。B社は同じ地区で築年数の近い事例を選び、訪問時に確認した外壁の補修跡を減点していた。C社は前面道路が狭く車の出入りがしにくい点を大きく減点し、早めの売却を前提にしていた、という具合です。

この場合、高い金額のA社が正しい、低いC社が慎重すぎる、と単純には決められません。比べた事例が自分の物件と近いのはどれか、減点の理由に納得できるか、想定した売却期間が自分の希望と合っているか、の三点で読み解くと、売出価格の検討に使える材料が見えてきます。

さらに、不動産情報ライブラリで同じ地区の取引を見ておけば、A社の比べた築浅の事例が自分の物件と条件が違うことにも気づきやすくなります。この例なら、B社の前提を軸にしつつ、道路の条件がどこまで価格に響くかをC社に詳しく聞く、といった使い方が考えられます。

建物の評価と修繕記録・インスペクション

国土交通省の資料によると、価格査定マニュアルは、中古戸建ての建物を基礎・躯体と内外装・設備に分けて評価する考え方に沿って改訂されています。インスペクションの結果や売主から提供された情報をもとに、基礎・躯体の状態を個別に確認して評価に反映する方向が示されています。屋根や外壁の塗装、水回りの交換などの記録を、時期・内容・施工会社が分かる形でそろえておくことは、建物を正しく評価してもらう材料になります。

中古住宅では、既存住宅状況調査技術者が行う建物状況調査(インスペクション)の制度があり、媒介契約の書面には調査を行う者のあっせんに関する事項を記載することになっています。調査は瑕疵の有無を判定するものではないなどの限界もあるため、利用するかどうかは、建物の築年数や気になる箇所を担当者と共有したうえで決めるとよいでしょう。

記録が残っていない工事は、おおよその時期と内容をメモにしておくだけでも、担当者が現地で確認する箇所を絞る助けになります。設備の取扱説明書や保証書、点検の報告書が残っていれば、あわせて用意しておきましょう。買い手にとっても建物の状態を判断する材料になり、売却後に引き継ぐ書類として役立ちます。

仲介の査定と買取の査定は意味が違う

査定を頼むと、「仲介で売り出した場合の見込み」と「会社が直接買い取る場合の価格」の両方を示されることがあります。この二つは同じ物差しの金額ではありません。

仲介の査定額は、一般の買い手を探して売り出したときに、ある程度の期間で成約が見込めると会社が考える価格の意見です。実際に売れる価格は、売出後の反応や交渉で変わります。一方、買取の価格は、会社自身が買主となって支払う金額の提示で、条件が合えば売却の時期を早めに決めやすい反面、買い取った後の改修や再販売にかかる費用や期間を会社が負う分、仲介の見込みと差が生じることがあります。

どちらを選ぶかは、金額だけでなく、①いつまでに売りたいか②室内を見学者に見せられるか③不具合をどこまで直せるか④住み替えの資金計画、を合わせて考えると判断しやすくなります。両方の金額を受け取ったら、それぞれの前提条件を並べて比べてみてください。

トリプルギブへのご相談

株式会社トリプルギブは、岡山市南区福吉町を拠点に、岡山市・倉敷市・瀬戸内市を中心として売買・仲介や分譲地の開発を行っています。ご相談をいただいた後は、物件の調査をもとに根拠のある査定をご提出し、売却の方針を整理したうえで仲介か買取かを確定します。公式サイトのCASEページには、戸建てや分譲地などの取引実績を掲載しています。

「まずは目安だけ知りたい」「書類がそろっていないが相談してよいか」という段階でもかまいません。対応できるかどうかは物件ごとに判断しますので、お手元にある資料の範囲でお問い合わせください。

なお、本記事は一般情報です。登記の内容や売却にかかる税金、住宅ローンの返済について具体的な判断が必要な場合は、司法書士や税理士、借入先の金融機関への相談もあわせてご検討ください。

よくある質問

Q. 机上査定だけで売出価格を決めてもよいですか。

決めること自体はできますが、机上査定は建物の傷みや境界、道路との関係など現地でしか分からない要素を十分に反映できません。売出後に買い手から指摘を受けて価格を下げることにならないよう、売出価格を決める前には訪問査定を受け、机上査定との差の理由を確認しておくのが安心です。

Q. 査定を頼むと、その会社と契約しなければなりませんか。

査定を受けただけで媒介契約を結ぶ義務は生じません。媒介契約を結ぶと、宅地建物取引業者は売買すべき価額などを記載した書面を交付することになっており、その価額に意見を述べるときは根拠を示す必要があります。説明に納得してから契約を検討すれば十分です。

Q. 相続したばかりで名義が親のままでも査定は受けられますか。

査定自体は、現況や資料をもとに受けられることが多いです。ただし売買契約や引渡しには相続登記などの手続きが関わるため、名義の状況は最初に伝えておきましょう。登記の進め方は司法書士に、相続税や売却時の税金は税理士に確認するのが確実です。

Q. 固定資産税の評価額や路線価と、査定額が大きく違うのはなぜですか。

固定資産税の評価額や相続税の路線価は、課税のために定められた評価で、実際に売買される価格を示すことを目的としたものではありません。査定額は周辺の取引事例や建物の状態、道路との関係などを踏まえた売却価格の意見なので、差が出るのは珍しくありません。差の理由は査定の根拠説明の中で確認しましょう。

この記事は一般情報です。法律・税金・相続・登記・住宅ローン等の個別案件は、税理士、司法書士、弁護士、金融機関などへ確認してください。

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編集方針:確認できる事実と一般的な判断のポイントを区別し、価格・期間・検索順位を保証する表現は用いません。

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